美音咲月 2019年7月25日号

台湾資本が狙う次の標的は“テレビと縁が切れない”ソニー(1)

掲載日時 2012年09月21日 11時00分 [社会] / 掲載号 2012年9月27日号

 テレビ事業の大不振で経営の屋台骨が揺らぎ、早々と“ポスト・シャープの大本命”と陰口を叩かれているソニー。打ち出した新たなテレビ戦略に対しては、「まだ懲りないのか…」と、陰口どころではない大きな声が聞こえている。
 年内にも世界で発売するとぶち上げたのは、フルハイビジョンの4倍の解像度を持つ『4K』と呼ばれる高画質の大型液晶テレビ。84インチと世界最大級で、日本での価格は未定だが、欧州での発売価格は約246万円と超高額だ。
 平井一夫社長は、9月5日までドイツのベルリンで開かれていた欧州家電見本市で、「お客様に臨場感あふれる映像視聴体験を提供するため」と出展の狙いを強調し、さらに「4Kテレビを投入することで『ソニーはテレビを続ける』とのメッセージを示したかった」と訴えた。
 市場関係者は「これぞボロボロになってもテレビと心中するとの意思表示に他ならない。電機業界が“脱テレビ”に舵を切った中、危険な賭けというしかない」と、ソニーの行く末を警戒する。我ら庶民には到底手が出ない高額商品とあってはなおさらのことだ。
 もっとも4K投入に意欲的なのはソニーだけではない。韓国のLG電子は今秋から世界市場で順次販売の予定で、東芝は来年度の上半期にソニーと同じ84インチの4Kテレビを投入する。
 こうした“ミニ映画館サイズ”ともいうべき超大型テレビの投入は、ソニーの専売特許ではないとはいえ、社長が率先して欧州の家電見本市でセールスマン役を発揮したように、テレビ復活にかける同社の意気込みはハンパではない。だからこそ、これが裏目に出た場合は致命傷に直結する。

 ここで素朴な疑問が出てくる。昨年の地デジ移行と家電エコポイントの終了を機に、国内の家電量販店では薄型テレビの販売不振が深刻だ。需要の先食いは「3年分以上。市場回復には5〜6年かかる」(業界筋)とされ、テレビ不振が長引けば「ビックカメラ&コジマ、ヤマダ電機&ベスト電器に続く新たな再編が必至」との観測が飛び交っている。実際、テレビ不況を象徴するかのように、ヤマダ電機の日本総本店(東京・池袋)では、1階の最も目に付く場所にあったテレビ売り場が2階に移され、成長中のスマートフォンにそこを明け渡した。それなのに、なぜソニーはテレビ事業と縁を切れないのか。
 「4月に就任した平井社長は音楽畑出身だからこそ、ソニーの本流というべきエレクトロニクス部門を簡単に捨て切れないのです。いわばテレビに代表されるエレキは、ソニーものづくりのルーツで、当然ながら口うるさいOBが控えており、パナソニックなどのように“脱テレビ”まで踏み込めない。だからこそ富裕層をターゲットにした4Kに打って出ることで『ものづくり精神を継承する』とアピールする必要があった。慢性的な赤字垂れ流しにもかかわらず、2014年3月期にテレビ事業の黒字化という“夢物語”を掲げているのも、そんなビジョンを示さなかったら社長ポストからサッサと引きずり降ろされるからに他なりません」(ソニー・ウオッチャー)

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