美音咲月 2019年7月25日号

話題の1冊 著者インタビュー 矢野大輔 『通訳日記 ザックジャパン1397日の記録』 文藝春秋 1500円(本体価格)

掲載日時 2015年01月06日 17時00分 [エンタメ] / 掲載号 2015年1月1・15日号

 −−ザッケローニ監督と選手との会話などをはじめ、ブラジルW杯までの4年間の活動の中で、通訳だからこそ知り得るエピソードばかりですね。

 矢野 この本に出てくるさまざまなエピソードについて、代表選手一人ひとりと連絡を取って出版しても問題ないと了解を得ています。ネガティブなことや、W杯での敗戦も含め、世間に伝えていくべきだと選手たちも言ってくれています。もちろん監督も同様の意見です。W杯では1分2敗と厳しい戦績でしたが、今後の日本が進むべき道を明確に示すことができましたし、日本サッカーが成長した4年間だったと自負しています。もちろん負けて帰って来たわけですから、批判されることも覚悟していました。でも中には腑に落ちない思いを抱える批判もありました。だからこそ、選手たちもザッケローニ監督も情熱を持って代表チームを作ってきたので、そのことをきちんと知ってほしいし、伝えたいと思いました。負けたからといって、向き合わなければ今後に引き継いでいくことができないですし、歴史を意図的に築いていくことが重要なのではないかと。

 −−代表選手やザッケロー二監督は、どんな方たちですか?

 矢野 4年間、代表に呼ばれ続けた選手たちに共通しているのはマイペースですね。それは今自分がやるべきことを把握し、毎日少しでも努力する能力や向上心を持っているということで、それが代表に残っていくための共通点だと思います。
 一方のザッケローニさんとはもともと、私がイタリアで仕事をしていたころからの知り合いで直々に呼んでいただきました。同じマンションにも住んでいました。ザッケローニさんは、日常では常々、自分がいかに日本の文化になじめるか、ピッチ上では自分のサッカー哲学をいかに植え付けるかが重要だとおっしゃっていて、日本のことが大好きでした。特にお寿司が好きで、ヨーロッパに代表選手の視察に行くときでさえ食事は和食でした。おかげで私はヨーロッパの日本食屋さんの本を書けるくらい詳しくなりました(笑)。

 −−最後に日本代表のスタッフとして過ごしたこの4年間を振り返ってください。

 矢野 これだけの緊張感と充実感を味わえる仕事に携わることができてとても幸せでした。この4年間でサッカーの面でも、人間としても多くのことを学びました。ですから、これから先、サッカーとは限りませんが、そういった仕事にまた戻りたいなと、自分自身で読み返してもそう思いますね。
(聞き手:本多カツヒロ)

矢野大輔(やの だいすけ)
1980年、東京都生まれ。セリエAの下部組織でプレー後、トリノのスポーツマネジメント会社に就職。その後、日本代表通訳に就任。

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