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バンクーバー五輪 宴の後(1) 浅田真央vs安藤美姫 氷上の女のジェラシー14年の終焉

掲載日時 2010年03月04日 00時00分 [スポーツ] / 掲載号 2010年3月18日号

 バンクーバー五輪で日本のメダル数は5。中でも女子フィギュアの浅田真央とキム・ヨナの対決は国民的関心事だった。次はソチ。4年後へ動き出す日本代表選手の裏舞台をレポートした!

 「アクセルをオリンピックで3回決めたのは誇りに思いたい。演技自体は全然、満足していない。心残りがある。世界選手権(3月)で、まずは自分の演技をしたい」
 バンクーバー五輪女子フィギュア銀メダルの浅田真央(19)がそう語れば、5位に終わったかつての女王・安藤美姫(22)はこう振り返った。
 「いまの自分の力に近いものは出せた。スケートをやっていて良かった」

 日本のフィギュア界の新旧女王の14年に渡る戦いにピリオドが打たれた瞬間だった。
 浅田は銀メダルで悔し涙を流したものの、入賞に終わった安藤はサバサバした受け答えが印象的だった。
 「これからさらなる極みに挑戦する者とゴールした者の違いですよ」(現地取材記者)

 浅田の視線は常に韓国のキム・ヨナ(19)に向けられていた。キムが3回転ジャンプを2回連続やるなら、自分はトリプルアクセルを2回成功させる。浅田は「ショートプログラムが5点以内の差なら、フリーで必ず逆転してみせる」−−そう豪語していた。
 結果は4.72差を引っくり返すどころか、逆にヨナが突き放し合計228.56点の史上最高得点で金メダルを獲得。バンクーバーで女王の座に輝いた。

 スポーツ紙記者が語る。
 「次のオリンピック、ソチ大会では雪辱を期すが、その前の今年3月の世界選手権でリベンジを果たすというのが、大の負けず嫌いの浅田の気持ちです。ところが、安藤はそうした気持ちを前面に出すことはありませんでしたね。競技の後、インタビューを受けて『あそこは勝負にでましたね』と聞かれても、『あくまで自分らしい演技ができればいい』と強調していましたからね。最初からメダルは圏外、浅田、キムには歯が立たないと考えていた節があった」

 オリンピック前の練習も浅田が母校・中京大学のリンクに籠って極秘練習していたのとは対照的に、安藤はモロゾフコーチの指導のもとマイペースで練習していた。メダル獲得にかける執念がまったく違っていたのだ。
 「それが演技にも出ました。ショートプログラムでは2回連続3回転ジャンプに挑戦したが、あえなく失敗。フリーでは不安なく滑るため、ジャンプの難易度を下げた。ミスなく演技を終えたものの、得点でヨナや浅田に劣るのは覚悟のうえだった」(前出・スポーツ紙記者)

 むろん、オリンピックで入賞したのだから立派な成績には違いないが、これでは競技者としてはマイナス思考である。安藤はなぜアグレッシブでなくなったのか。
 「やはり、トリノ五輪でしょう。4回転ジャンプに失敗し、15位に終わったトリノがトラウマにある。当時の安藤は世界トップ選手。浅田もキムもおらず、'03年から'04年にかけては世界選手権を除いて総ナメしたこともある。しかし、本人が言うように独りよがりになっていたんですね」(フィギュア関係者)

関連タグ:オリンピック フィギュアスケート

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