福島第一原発事故 東京湾の放射能汚染

社会・2014/11/10 12:00 / 掲載号 2014年11月20日号

 東京湾の放射性汚染がピーク−−。福島第一原発事故の収束は、まだまだ遠い話のようだ。原発から約200キロも離れた東京湾の汚染が今、深刻になっていることがわかったのだ。

 京都大学防災研究所の研究グループがまとめた予測によると、東京湾の放射能汚染は2014年3月に最も高くなり、湾の北部で局地的に泥1キロ当たり4000ベクレルに達するというシミュレーション結果が出ていた。
 「さらに先ごろ、一部報道機関が専門家の協力を得て調査した結果、千葉の花見川河口で1000ベクレルを超える泥が採取され、荒川河口でも400ベクレル、多摩川河口でも基準値超えのものが採取されたのです」(サイエンスライター)

 事故から3年以上も経過しているのに、東京湾で福島並みの汚染が続いているのはどういうわけなのか。
 「除染できないままになっている森に溜まった放射性物質が、台風の通過とともに木の葉や土に付着して河川に流れ込んだためです。同研究所によると、汚染は10年ぐらい高止まりが続くとのこと」(同)

 東京湾の放射性物質の調査はセシウムに限られている。今回の調査もセシウムに絞られ、魚や貝の汚染は低かった。しかし、東電が放出した放射性物質は約1000種類にも及ぶため、数値は未知数といえる。
 ジャーナリストの窪田順生氏が言う。
 「こればかりは対策の講じようがない。東京湾に入った放射性物質で小魚が汚染され、それを大きな魚が捕食し生物濃縮が進んでいく。東京湾は太平洋に面している福島沖と違って希釈されにくい。東京の人は福島の犠牲のもとに繁栄してきたが、因果応報といえるかもしれません」

 そのツケは知らぬ間に襲い始めている。

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