☆HOSHINO 2019年6月27日号

本好きのリビドー(234)

掲載日時 2018年12月26日 15時30分 [エンタメ] / 掲載号 2019年1月3日号

快楽の1冊
『変見自在 習近平は日本語で脅す』髙山正之 新潮社 1450円(本体価格)

★反日が歪曲した歴史の真実を学べ
 他誌の話題で恐縮だが、“『週刊新潮』を最終ページから読ませる男”こと髙山正之氏の人気連載猛毒コラム「変見自在」シリーズ、その最新刊が出た。

 同文庫でも読める第一弾「サダム・フセインは偉かった」に始まり、はや13冊目の本書とはいえ、相変わらずタイトルからしてお見事。『習近平は日本語で脅す』、なんだか『郵便配達は二度ベルを鳴らす』みたいな響きで実にシブいがその心はずばり、現代の中国人が使用する語彙の7割が、実はもはや日本産だという意外な現実だ。

 早い話が彼らの標榜する“社会主義市場経済”なる用語ひとつを例に挙げれば「社会」にせよ「主義」にせよ、共にわが先達が明治時代に怒涛のごとく流入する西洋文明と格闘した果てに生み落とした苦心の訳語、いわゆる和製漢語というやつ。なにより国名としての「中華人民共和国」自体、何と「中華」以外は「人民」も「共和国」も、おまけに「共産党」に至るまでが和製漢語とは。

 もっともそれを言うなら江戸期以前、既に「国字」と呼ばれる純日本産漢字を自由に創造してきたわけで「働」「鱈」「鰯」「鮨」「峠」「粋」「栃」等、枚挙のいとまなし。

 教科書的には古代から、漢字を含め文物はすべて朝鮮半島経由で支那大陸から伝来したと口酸っぱく学習させられてきた(あるいは“一衣帯水の漢字文化圏”とか)。無論、頭から全否定する気はないが、しかし、維新このかた150年の時を経て近代以降、相当厖大な量を輸出して“恩返し”は済んだはず。差し引きゼロといってよいだろう。

 それどころか今や中国の方が「日本文化圏」に属してその一角を占めると見るのが自然、と説かれると…まさに目の覚める思い。
_(居島一平/芸人)

【昇天の1冊】
 朝日新聞出版から新たな歴史ムックが発売された。タイトルは『歴史道』。今後も継続して刊行が予定されているという。

 第1号の総特集は「戦国武将の家臣団 最強の法則」と題し、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、武田信玄、伊達政宗ら、戦国の覇権を競い合った有力大名たちを支えた家臣たちの群像を解説している。

 前記の大名は、いずれも日本史の重要なキーマンたち。それだけに家臣団にも名の知れたビッグネームが目白押しだ。

 織田家を代表する羽柴(豊臣)秀吉、明智光秀、柴田勝家。猛将・本多忠勝を始めとした家康の重鎮“徳川四天王”。風林火山の軍旗の下に集い、やがて滅びていった武田二十四将。豊臣秀吉が太閤に昇りつめるまで補佐した軍師・黒田官兵衛、秀吉没後も豊臣の天下を維持しようとして関ヶ原に散った石田三成。

 こうした人物たちの素顔、功績をつぶさに見ていくことで、戦国の世がいかにダイナミックだったかが、分かりやすく伝わってくる。

 さらに「決定! 戦国最強の家臣ランキング」という付録小冊子付き。こちらは軍師、忠臣から忍者、主君を裏切った極悪家臣までを豊富なデータをもとに完全格付け。本誌と付録を合わせて読むと、より一層、ボリューム感あふれる本となっている。

 巻頭の特別対談に登場するのは、NHK大河ドラマの時代・城郭考証でおなじみの磯田道史氏と千田嘉博氏。

「いい家臣団・ダメな家臣団」などを徹底的に語り尽くしている。
(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)

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