中島史恵 2019年6月6日号

おやじ雑学 老後難民にならないための「最新年金」活用術(2)

掲載日時 2014年11月22日 17時00分 [エンタメ] / 掲載号 2014年11月27日号

【受給開始が70歳になる?】
 ではその結果、年金の将来像はどうなるのか? 超高齢社会、少子高齢化を受けて公的年金制度はさまざまな改革途上にある。主なものは−−。
 (1)前述の『マクロ経済スライド制』。
 (2)保険料の値上げ。国民年金、厚生年金ともに保険料は、'04年から'17年まで14年連続で引き上げ中だ。
 (3)支給開始年齢の引き上げ。老齢厚生年金は、男性は昭和36年4月2日生まれ以降、女性は昭和41年4月2日生まれ以降の人は、65歳になるまで年金が一銭も出ない…。
 これら、特に(2)(3)は“現役世代いじめ”といえよう。
 しかも政府は2019年の「財政検証」までに受給開始年齢を67〜68歳に引き上げようと画策している模様。もしかしたら開始年齢が70歳になる可能性もある。ちなみに、「65歳→70歳への引き上げ」が実現すれば、厚生年金加入者で1人当たり1000万円の支給カットとなるという。

 また平成26年5月、田村憲久前厚労相が「本人が希望すれば受給開始を75歳まで繰り下げられる仕組み」の検討を示唆した。現行制度では受給開始を65歳から1カ月遅らせる(繰り下げる)ごとに年金額が毎月0.7%増える。ただし、現行法では繰り下げは70歳までしか認めていない。75歳までの繰り下げ可能制度は、受給開始年齢引き上げの地ならしとみられる。
 毎月0.7%増ということは、仮に5年間繰り下げれば合計約42%も“お得”。例えば、100万円が142万円になるので「長生きすればお得」になる。だが「マクロ経済スライド制を考慮すると、必ずしも42%分が上乗せされるとは限らない」と指摘するのは、年金問題に詳しい『家計の見直し相談センター』の山田茂睦氏だ。
 その一方で、安倍政権は'15年秋の「消費税10%」実施を'14年末までに決定するとしている。山田氏は、「おそらく10%へのアップは必至」と前置きし、次のように語る。
 「消費税8%の反動で一時、消費が冷え込みましたが、回復基調を盾に、政権は消費税アップにかじを切るでしょう」

【自己防衛策は不要支出削減】
 では、こうした“庶民いじめ”にどう対処したらいいのか? 減り続ける年金をにらみながら老後を安心して暮らすには、現役のうちから「家計防衛」策を講じておくしかない。
 山田氏は、「家計防衛には三つの手段がある」とアドバイスする。
 一つは収入を増やすこと。二つ目は可能な限り支出を減らすこと。三つ目が資金の運用だ。

 この中でも最大の防衛策が2番目の支出の削減。今の雇用環境下では収入を増やすのは簡単ではないし、資金の運用といっても、不透明な経済状況下ではリスクが大きい。そこで毎月の支出を見直すのが最善の方法になる。
 例えば、毎月の生活費40万円の場合は、思い切って30万円に切り詰めれば年間120万円、10年で1200万円の資金が生まれる。
 では、具体的に何を見直せばいいのか? 山田氏は「固定費」の削減を挙げる。食費はそうそう減らせないし、小遣いや雑費の大幅削減はみじめだ。そこで携帯電話などの通信費や生命保険料などの「固定費」を見直すこと。都会暮らしなら思い切って自動車を捨ててしまおう。こうした支出コントロールで生み出した月10万円の余剰資金は、利回りに換算すればとても大きい。下手な資金運用以上の効果を生むのだ。
 しかも、早いうちから生活コストを切り下げた生活に慣れておけば、年金頼りの老後生活でも比較的満足に暮らせる。

 よく「老後の生活資金はいくら必要か?」が話題になるが、「持ち家で子供が独立していれば平均20万程度で大丈夫」と山田氏。これなら年金と余剰資金で何とかなるはず。
 もちろん、冠婚葬祭や旅行費用などは別だが、“老後の不安の種”である医療費は『高額療養費制度』によって、70歳からは月額4万4400円以上は負担しない(現役世代並みの収入がある人は除く)で済む。
 ただし、介護に掛かる費用は無視できず、介護期間が長ければそれだけ費用がかさむ。やはりその分のストックが必要だ。

 そこで、生活コスト切り下げで生まれた資金を“安全な運用”に回すのも手だ。
 例えば、生命保険会社などの「個人年金保険」を検討する方法。ただし、掛け金と支給額のバランスをよく吟味すること。
 自営業者の場合は『国民年金基金』を考えるとよい。国民年金基金制度は国民年金しか加入していない自営業者などを対象に“老後の所得”を保障する公的年金制度で20歳以上、65歳まで加入できる。これも早く加入する方が得する仕組みだが、加入には条件があり、掛け金や支給額なども細かく決まっているので、詳しくは『国民年金基金』で調べていただきたい。
(編集部注/数字などは生命保険文化センター『年金ガイド』2014年7月改訂版などを参考)

【年金は今後、どう変わる?】
 平成24年8月22日、議員立法により成立した『社会保障改革推進法』に基づき、社会保障と税の一体改革という一連の動きの中で年金制度改革も進行中。
 まずは「共済年金」の「厚生年金」への統合。今まで共済年金に加入していた公務員や公立学校職員の場合、これまで「共済年金」にあった「職域年金担当分」のメリットがなくなる。共済年金の保険料も引き上げられる。
 第2は「老齢基礎年金」をもらうための支払い期間の短縮。今は最低25年間分の保険料を支払う必要があるが、これが10年間分でOKになる。その結果、年金をもらえない悲劇は減るが、その分、もらえる金額は当然少ない。
 第3はパートタイマーでも厚生年金の対象になれること。従業員501人以上の企業に勤務している人が対象だが、(1)週に20時間以上の労働時間、(2)年収が106万円以上、(3)勤務期間が1年以上の場合、厚生年金に加入可能だ。
 もし、あなた自身やあなたのご家族が当てはまる場合は、会社に相談してみよう。

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