名医・博士の健康術 ★今週のテーマ ゆびのば体操

健康・2020/06/11 12:00 / 掲載号 2020年6月18日号
名医・博士の健康術 ★今週のテーマ ゆびのば体操

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 1日3分、足の指をやさしく伸ばすだけでひざ・腰・股関節痛が改善、運動能力も上がる!

 足指は全身を支える土台で、しっかりと伸びていれば、足指と地面の接地面積が大きくなって踏ん張る力が生まれる。これが支える力となり、全身のバランスを整えている。しかし、足指が変形していると踏ん張りがきかなくなり、バランスが悪くなる。そうなると体にゆがみが生じ、ひざ痛や股関節痛、腰痛などに悩まされてしまう。

 こうした状態を改善させるため、みらいクリニック院長の今井一彰先生が考案したのが、足指を伸ばす「ゆびのば体操」だ。1日3分のストレッチで痛みが解消し、体幹が安定して握力やジャンプ力、柔軟性、背筋力など、体が本来持つ様々な力を取り戻すことができる。さらに、片頭痛や冷え性、肩こり、足のむくみなど、全身の不調の改善にもつながる。

「私は内科医ですが、患者さんから足腰の悩みを聞く機会が多く、どうにか解消できないものかと思案していました。そんな折に知り合いの保育士から子供たちの足が変形している話を聞き、なんとか改善させたいという思いから、『ゆびのば体操』の開発に至りました。足指を広げて伸ばすだけなので誰でも簡単にでき、子供たちの運動能力の向上にもつながりました。この体操は患者さんにも勧めており、関節リウマチの方の痛みや腫れが消えて踏ん張りが効くようになったなど、足腰の痛みが改善したという話を多数いただいております」(今井先生)

★足指の状態をチェックする

「ゆびのば体操」を始める前にやっておくべきなのが、自分の足指の状態のチェックだ。今井先生のクリニックでは、足腰の不調を訴えて来院した人の9割に小指の変形が見られたという。まずはどんな形になっているのかを確かめ、左上の「足指チェックシート」で、足指の変形を招きやすい生活習慣や変形が疑われる体の状態があるかどうかをセルフチェックしよう。

「要注意や危険信号と判定されても、心配はありません。足指が変形していたとしても、『ゆびのば体操』で改善することができます」(今井先生)

 ちなみに、足指が変形するのは靴下や靴を履いた生活が関係している。キツい靴下や靴を履くと親指と小指が内側に締めつけられるので、変形が生じやすくなるのだ。一方で、サイズが大きな靴や靴下も変形の原因になるので注意が必要だ。

「理想の足指は、親指や小指がパッと開いた『末広がり型』です。足が本来持つ力を十分に使うことができ、生まれたての赤ちゃんはこのような形の足をしています。一方、小指が内側に寄っていたり、小さな爪になっている『三角型』は、ゆがみが進んでいるイエローカードの状態です。そして、一番危ないレッドカードの足が、小指も親指も内側に寄った『棺桶型』です。この状態だと、足指の変形はかなり進んでいると言わざるを得ません」(今井先生)

 また、足指が地面から少し浮いている「浮き指」、足指が丸まっている「かがみ指」、指が横に寝て爪が外側を向いている「寝指」といった状態が1つでもあると、いずれ「棺桶型」になる可能性があるので気をつけておこう。

★1日3分で効果を得る

「ゆびのば体操」のやり方は至ってシンプルで、4つのステップをこなすだけでよい。1日3分やるだけで、足裏で体をしっかりと支えられるようになる。

(1)床に座り、片方の足を太ももの上にしっかりとのせる。床に座る体勢をとるのがキツければ、椅子に座って行ってもよい。

(2)足指の間に反対側の手の指を入れ、ふんわりと包み込むようにやさしく握る。足指の根元まで手の指は入れず、すき間ができるぐらいで握るのがポイント。

(3)足指を足の甲側にやさしく伸ばし、5秒キープする。手首は動かさず、わきを開いて腕全体を使って伸ばす。足指は曲げすぎず、30度ほど曲げればOK。

(4)足の甲を伸ばすような感じで、やさしく足の裏側に曲げ、5秒キープする。手首は動かさないでわきを閉じ、腕全体を使って伸ばす。急がず、ゆっくりと伸ばしていく。

 この(3)と(4)を交互に15〜20往復行い、片方の足が終わったら、もう片方の足も同様に行い、以上を1セットとして1日1〜2セットを目安に行う。

「やり方のポイントは、足指を強い力で握ったり、曲げすぎないようにすること。足指をやさしく伸ばすことで、より効果を得やすくなります」(今井先生)

 基本的にはどの時間帯にやってもよいので、歩く前や帰宅後、入浴後や就寝前など、自分がやりやすい時間帯に実践しよう。

◉一生歩くための「足指チェックシート」
□親指の付け根が靴に当たり、痛い
□土踏まずがない、浅い(偏平足)
□足指でグーチョキパーができない
□家ではスリッパを履いている
□サンダルやげた、草履をよく履く
□毎日、夜になると足がむくんでいる
□冷え予防のため靴下を重ね履きしている
□よく転ぶ、つまずきやすい
□歩くのが遅くなったような気がする
□歩くのが嫌い、あまり階段を使わない

診断:上の項目でチェックが0個 →足指が健康な状態。1〜5個→早めに対処すべき。要注意状態。6個以上→_歩けなくなる。危険信号状態。

◉ゆびのば体操とは
足指を1日3分やさしく伸ばすことで、足指の変形を改善し、ひざや腰、股関節などの痛みの原因となる体のゆがみが解消できる。脊柱管狭窄症や関節リウマチの改善例もある。老若男女問わず、誰でも簡単にできる。

◉ゆびのば体操のやり方
(1)太ももの上に足をのせる
床に座り、片方の足を太ももの上にしっかりとのせる。床に座るのが厳しい時は、椅子に座って行ってもよい。

(2)足の指の間に反対側の手の指を入れる
足指の間に反対側の手の指を入れ、包み込むようにしてやさしく握る。ギュッと力を入れたり、足指の根元まで手の指を入れるのはNG。

(3)足の指を足の甲側に伸ばして5秒キープ
足指を足の甲側に30度ほどやさしく伸ばし、5秒ほどキープする。手首は動かさず、わきを開いて腕全体を伸ばすのがポイント。

(4)足の甲を伸ばすように足の裏に曲げて5秒キープ
足の甲を伸ばすように、やさしく足の裏側に曲げて5秒キープする。ポイントは(3)と同様、ゆっくりそ〜っと伸ばすようにする。

*(3)と(4)を交互に15〜20往復行う。

*片方の足が終わったら、もう一方の足も15〜20往復行う。
以上を1セットとして、1日に1〜2セットを目安に行う。実施時期は歩く前、帰宅後、入浴後、寝る前などいつでもOK。

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 監修/今井一彰先生
みらいクリニック院長。日本病巣疾患研究会副理事長。薬を使わずに体を治す独自な治療を行う。息育、口呼吸問題の第一人者として全国を講演で回る。著書に『自律神経を整えて病気を治す 口の体操「あいうべ」』(マキノ出版)など多数。

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