竹内渉 2018年8月2日号

現代社会が招く「免疫力」低下の要因 これが病気になりにくい3つの対策だ!(1)

掲載日時 2011年05月29日 12時00分 [健康] / 掲載号 2011年6月2日号

 私たちの健康を守るキーワードは「免疫」だ。免疫力が低いと、がんや糖尿病などのあらゆる病気を引き起こす原因になり、逆に、免疫力が高ければ病気になりにくい。
 健康に生きるためには、まずは免疫についての知識を得ることが基本。そして、免疫力アップの方法を実践すれば、どんな病気も怖くない。ぜひ今日から、免疫力アップの生活を実践しよう。

 まず、「免疫」とは、どういうことを示す言葉なのか。この文字を解剖すると「疫病を免れる」となる。湯島清水坂クリニック(東京都文京区)の首藤紳介医師がこう話す。
 「免疫とは、非自己である病原体や毒素を排除しようとする働きのことで、更には白血球を中心とする病気の予防システムもその機能と言えます。免疫力とは、病気に対する抵抗力、病気を予防する力と解釈すれば良いでしょう」

 現代は免疫力を低下させる要因にあふれている。首藤医師が、こう指摘する。
 「現代は栄養状態が良く、かつての栄養状態が悪い時代と比べると平均寿命は延びています。しかし、過剰なストレス、運動不足や過食、体を冷やす習慣、夜型生活、睡眠不足、無理な生き方など、現代にありがちな生活習慣は免疫力を低下させるものが多く、そのため、寝たきりの方の数は増加し、生活習慣病や難病も増えています」

 免疫をつかさどる白血球は、リンパ球、顆粒球、単球から構成されている。
 安保徹・新潟大学大学院教授は、免疫が正常な状態ではリンパ球と顆粒球が占める割合がそれぞれ35%、60%であることを解明。そして、それをコントロールしているのは自律神経であることを突き止めた。
 自律神経とは、血液循環や血圧、臓器の働きなどを意思とは無関係にコントロールしている神経だ。
 自律神経は緊張時に働く交感神経と、安静時に働く副交感神経から成り立っている。
 両者はシーソーのような相対的な関係にあり、一方が優位に働くと他方の働きは抑えられる。
 ストレスを受けると自律神経のバランスが交感神経優位となり、その結果、リンパ球が減り、顆粒球が増える。
 ストレスに対し適切な対処をせず、慢性的に継続した場合、白血球が顆粒球優位になる。顆粒球の過剰は、臓器の炎症が起きやすくなり、活性酸素が増え、様々な病気を引き起こす原因になると、安保教授は主張している。

 では、ストレスがまったくない生活を送ればよい、と考えるかもしれないが、首藤医師によると、それもまた免疫力を低下させるという。
 「運動不足など、ストレスや緊張のまったくない生活は、慢性的な副交感神経優位の状態をもたらします。副交感神経が優位になり過ぎると、白血球のバランスもリンパ球過剰となり、免疫力は低下しています」

 つまり、ストレスとリラックスのバランスがよい時に、自律神経は安定し、白血球のバランスも適正に保たれ、免疫力も高くなるという。
 「私たちの心と体は、ストレスを乗り越えることで鍛えられます。ストレスが過剰にならないように自分の意思で調整することで、緊張とリラックスのバランスが取れた、偏らない生き方ができます。そんな生活をすれば、自律神経や白血球のバランスもとれるため、免疫力もアップします」

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