RaMu 2018年12月27日号

カヌー薬物混入事件 被害者は「おとがめなし」に噛みついた世界基準ってなんだ?

掲載日時 2018年01月27日 12時00分 [スポーツ]

 東京オリンピック出場を目指していたカヌー競技の鈴木康大選手(32)がライバル選手の飲み物に禁止薬物の筋肉増強剤メタンジエノンを混入させるという衝撃事件が発覚した。最後は良心の呵責に耐えきれず、罪を自白…。鈴木には8年間の資格停止処分が下された。事実上の永久追放だろう。被害者・小松正治選手(25)は兄のように慕った先輩の犯行に複雑な表情を浮かべていたが、「自白してくれて、それには感謝したい」と述べていた。しかし、今回のドーピング騒動は、これからが本番だという。
 「海外では『第三者に禁止薬物を混入された』と主張するケースが多々ある。しかし、それを立証するのは難しく、今回は鈴木の自白があったから小松選手は救われ、命拾いした格好です」(体協詰め記者)

 被害者に対しては“おとがめなし”。これに対し、他競技を含めた海外の競技協会、連盟は「日本の処分は甘すぎる!」と怒っていたという。
 「もし日本以外の国だったら、小松選手も処罰されていました。『第三者に禁止薬物を混入されたとしても、それは自己責任』というのが、禁止薬物に対する海外の判断基準です」(スポーツライター・飯山満氏)

 前例もある。“自分勝手”と揶揄される中国でさえ、北京五輪前に自国の有力マラソン選手を切り捨てている。第三者に禁止薬物を混入されたことは立証できたものの、「飲み物を管理しきれなかったアナタも悪い」と、出場停止に処したのだ。開催国のメンツを守るためにも、「自己責任」の海外基準に徹し、救われたのは、対象選手の“名誉”だけだった。
 「ほとんどの国が国内の地方裁判所で判決を求められるよう、禁止薬物に関する法律を整備しています。日本はドーピングの前例が極めて少ないので法整備がされていない。今回の事件で鈴木、小松両選手は弁護士を立てていますが、裁判所で争えるのは、それ以前に受けていたとされる嫌がらせのみ(窃盗、業務妨害)。今後、飲み物などを監視するカメラ設置は徹底されるでしょうが、法整備も急がなければならない」(同)

 “被害者も処分”と言う世界基準もどうかと思うが…。


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