彩川ひなの 2018年7月5日号

日産・ゴーン会長の非情クビ切り人事

掲載日時 2013年11月23日 11時00分 [社会] / 掲載号 2013年12月5日号

 日産自動車カルロス・ゴーン社長が繰り出した荒業への反発が渦巻いている。日本人トップの志賀俊之COO(最高執行責任者)を副会長に棚上げし、事実上“更迭”すると同時にCOO職を廃止、社長が3人の副社長を直接指揮する異例の人事を断行したのだ。

 実はゴーン社長、会長を務める仏ルノーでも、米メディアに「いずれナンバー1になりたい」と語ったCOOを辞任に追い込み、これまたCOO職を廃止したばかり。即ち、自分のポストを脅かしかねない人物に引導を渡すことで身の安泰を図ったのである。

 背景にあるのは業績の不振だ。好決算を謳歌するトヨタを尻目に、日産は来年3月期の業績見通しを下方修正した。下方修正は2年連続である。もし3度目の修正を迫られたらゴーン社長の責任問題に発展する。「プライドの高い彼は、そんな事態だけは何としても回避したいはず」と日産ウオッチャーは指摘する。
 「檄を飛ばしたところで業績が急回復する保証はない。その場合、有力な社長候補を早めにパージしておけば“人材不足”を口実に延命が図れる。シタタカな彼のこと、それぐらいのシナリオは十分に描いています」

 ルノーのジリ貧も深刻だ。ルノーは今年1〜6月期の純利益が、前年同期に比べ8分の1以下の9700万ユーロ(約130億円)だった。筆頭株主でルノー株の15%を保有する仏政府との関係も「最近はギクシャクして微妙」(情報筋)とあって、これで日産からのリターンが激減すれば窮地に追い込まれる。

 ゴーン氏は来年3月、会長を務めているルノーで任期切れを迎える。仏政府を納得させ、応援団に回らせる究極のカードこそ、最大のドル箱である日産での仁義なきライバル排除なのである。

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