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米韓両軍は本気だ! 北朝鮮への先制攻撃「5015作戦」全貌

掲載日時 2016年02月25日 15時00分 [社会] / 掲載号 2016年3月3日号

 「5015」とは北朝鮮の核・ミサイル施設への先制攻撃作戦だ。別名「金正恩第一書記“斬首”作戦」である。米軍は水爆実験後の1月10日に、グアムのアンダーセン空軍基地から核兵器を搭載可能なB-52戦略爆撃機を韓国烏山空軍基地へ飛行させたが、その後も続々と“暗殺兵器”を韓国内に投入している。
 「2月20日ごろまでにトマホーク巡航ミサイルなどを搭載した攻撃型原子力潜水艦ノースカロライナを派遣し、続いてB-2ステルス戦略爆撃機やF-22ステルス戦闘機の派遣も検討しています。3月7日から4月30日には、原子力空母ジョン・C・ステニスも参加する史上最大規模の米韓合同軍事演習『キー・リゾルブ』を韓国近海で実施すると発表していますが、その一環として“斬首”作戦の訓練も適用する予定です」(軍事アナリスト)

 「5015」は、北朝鮮による韓国侵攻を想定した「5027」や、北朝鮮の急変事態に対応する「5029」などを総合した作戦計画で、昨年6月に米韓によって立案された。
 「北朝鮮は今回のミサイル発射を人工衛星と強弁していますが、前回の打ち上げ後の2013年1月23日の国連安保理決議第2087号など、いくつもの決議が北朝鮮に対し『核実験やICBM技術を使用したいかなる発射をこれ以上実施しないこと』を求めています。従って1月6日の水爆実験と今回のミサイル発射が、安保理決議に違反していることは明白です。また米国は、北が国連の制裁決議に従わなければ、北西部の東倉里にあるミサイル発射場を攻撃するという警告を発していましたが、北がそれに全く耳を貸さずに発射を断行したことで、米国も本気にならざるを得なくなったのです」(北朝鮮ウオッチャー)

 今年に入っての金正恩第一書記の暴走が、米韓に北朝鮮攻撃の口実を与えたことになる。米軍はイラク戦やアフガン攻撃に投入し、要人を暗殺する斬首作戦を実行してきた海軍特殊部隊のネイビーシールズや、同じく極秘潜入を得意とする第1空輸特戦団、第75レンジャー連隊所属の特殊戦兵士を韓国内で訓練させており、キー・リゾルブにも参加させる予定だ。
 2月11日、韓国国防省も特殊部隊支援機MC-130Jによるこれら特殊部隊のパラシュート降下作戦を実行、北側に防戦する余裕を与えず、心臓部を急襲し、かつ通信網を破壊して無抵抗にすることをにおわせ、金正恩第一書記の“寝室”まで苦もなく潜入できるとプレッシャーをかけた。

 ところで今回のミサイル発射実験に使われたテポドンII改は、発射台を67メートルと高く見せるために偽装が施されており、実際は従来型のテポドンIIのままで、米本土東海岸に到達する能力はないとする専門家もいる。
 「大気圏への再突入時は数千度の高熱にさらされますから、核弾頭を守るための耐熱装備を施すことが必要。セラミック素材や炭素繊維などを特殊なプラスチックで固め、一部が溶けつつも熱を吸収する方式を核保有五大国は採用しています。北はこうした技術を持っていない。つまり今回のミサイルはICBMとは言えません。また、発射に際しては1月20日ごろから2週間以上もかけ、衆人環視の中で組み立てながら液体燃料の注入を2月4日に始め、その3日後の7日に発射している。もしこんなに時間をかけたICBMで米国を狙おうとしても、発射準備を始めた途端、航空攻撃などで簡単に破壊できるシロモノです」(軍事ジャーナリスト)

 とはいえ、いかに“ハリボテ”でも着実に進歩していることは確か。核の小型化、核兵器運搬手段のICBMの製造、潜水艦攻撃力の強化などが現実化しつつある。しかも日韓を射程内とするノドンは、テポドンと違い移動式やトンネル内に配備されるなど、すでに実戦配備され「ソウルを火の海にする」という従来からの北朝鮮の主張はこけおどしではない。

 折しも韓国メディアは「朝鮮人民軍の李永吉総参謀長が2月初めに処刑された」と一斉に報道した。核実験、長距離ミサイルを成功させた軍ナンバー3の李総参謀長が処刑されるのだから、北の党・軍幹部たちは心の休まる暇がない。こうした中での「5015」によるプレッシャーは、彼らの忠誠心を揺さぶるに違いない。
 「6カ国核協議は、北の核開発計画をストップできないことを、口にこそ出さないがホスト国の中国も知っている。日米も外交交渉で北が核開発計画を放棄するとは考えていない。北はそれを熟知しているだけに核開発をやめない。その狙いは、まず金王朝の継続、次に核保有国の承認、そして第3は米国との平和協定の調印の3つです。北は4回の核実験と6回の長距離ミサイル発射を行いましたが、米国に無視されたことで、この3つの目標を実現できていません。これら目標を実現する前に金正恩政権を打倒しないと、国際社会はさらに難題を突き付けられることになります」(前出・ウオッチャー)

 仮に「5027」や「5029」を発動するような有事の際まで米韓が手をこまねいていれば、北への軍事攻勢に多大な犠牲を出さなければならない。だからこそ北朝鮮は、実際はできないシナリオだと高をくくっている。その意味で、犠牲を最小限に抑えることが可能な「5015」実行の潮時と言えるのだ。

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