菜乃花 2018年10月04日号

常飲はがんの罹患率を高める! 赤ワイン健康説に異論続出(2)

掲載日時 2015年10月02日 10時00分 [健康] / 掲載号 2015年10月8日号

 さらに昨年5月、ちまたの“赤ワイン否定論”に追い打ちをかけるように、今度は米国医師会内の科学雑誌が、「ポリフェノールに健康への効果を確認できず」という記事を掲載した。ジョンズホプキンス大学の医学部研究チームが、「欧米式の食事に含まれるレスベラトロールは、炎症、心臓血管疾患、がん、長寿などへの実質的な効果を持たないことが示された」と発表したのだ。
 同大学の研究チームは、ワイン産地のイタリア・トスカーナ地方で、65歳以上の約800人を対象に調査を行った。この調査では、被験者の尿に含まれるレスベラトロールの濃度を測定し、食事を通して摂取したレスベラトロールが、健康促進に効果があるかどうかを考察した。
 しかし、'98年に研究を開始してから、9年間で被験者の34%が死亡していることもあり、研究チームは赤ワインに含まれるレスベラトロール濃度と、長寿の相互関係を見つけようと研究を進めたが、結論を見い出せなかった。
 また、がんや心臓疾患の発症とレスベラトロール濃度との間に、特に関連性がないことを突き止め、赤ワイン健康説の立証はできなかったとしている。

 こうした調査結果に「人はそれぞれ代謝レベルが違う。また、摂取量および排出率によって、その効果は異なるはず」と、異論を唱える医療関係者もいる。
 都内で医療総合クリニックを営む、久富茂樹院長はこう言う。
 「確かに人それぞれによって代謝に差があり、アルコールの排出についても違いがあります。そこで私の結論は、ワインにしろ他のお酒にしろ、ただ健康、長寿のために飲むわけではありません。酔うために飲む。その酔い方で『ほろ酔い』が最も健康に良いと考えるべきだと思います。というのは、人はほろ酔いの状態のとき、大脳の抑制が緩和され、ストレスが解消されるからです」

 赤ワインにしても白ワインにしても、ワインの愛飲家は女性を中心に、今でも幅広く存在する。「若さを保ち、美容と健康に良い」などと喧伝されたことが、人気の秘密ともいわれる。ワインには抗酸化物質が含まれるほか、発酵食品として消化を助ける働きもあり、肉体的に良い酒類とされているようだ。
 とはいえ、健康には「赤ワインを飲めば良い」のではなく、さまざまな食生活や生活習慣が複合的に関与している。この事実を常識的に捉えるべきという医療関係者は少なくない。

 新潟大学病院の管理栄養士で料理研究家の林康子氏は、ワインはおいしさを楽しみながら適量に、と話す。
 「赤ワインが健康云々といわれますが、白ワインにも有機酸が含まれていて、その効果で便秘が解消したり、腸内菌を弱酸性に保ち、悪玉菌を殺す環境を整える役割をしています。栄養価の点は、どちらも同じくらいで、カロリーはビールより少々高い。ワインは健康に良いと短絡的に考えないで、適量を習慣的に飲むこと、ワインだけでなく濃色野菜やオリーブオイルなどを多く摂ることなどが、健康維持という点で大事です。アルコールの飲み過ぎは、まったく意味がありません」

 ワイン党は、このへんで一考の余地があるのかもしれませんゾ。

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