和地つかさ 2018年9月27日号

補講の連絡を受けていないという理由でバレエ講師の指を切断した理不尽なドS男(1)

掲載日時 2017年02月11日 23時00分 [事件] / 掲載号 2017年2月16日号

 「バレエ教室の女講師の指を切断した」
 こんな110番通報が早朝に掛かってきた。管轄の警察署員が駆け付けると、現場のバレエスタジオで講師の木村里美さん(24)が右手の親指を付け根から切断されて倒れていた。
 犯人は元レッスン生の高橋敏弘(41)。「自分がやった」と認めたため、傷害容疑で現行犯逮捕した。
 里美さんは病院に救急搬送され、10時間に及ぶ手術で接合に成功したが、自分の意思で指を曲げることはできなくなってしまった。
 ピアニストとしても全国大会で最優秀賞を取るほどの腕前だった里美さんにとって、あまりにも痛々しい障害が残った。

 2人に何があったのか。話は事件の1年前にさかのぼる。里美さんが勤めていたバレエ教室では年2回の発表会があり、それぞれの講師が担当する演目にレッスン生が申し込む形を取っていたが、里美さんが担当する『ドン・キホーテ』に申し込んできた7人のうちの1人が高橋だった。
 だが、高橋は「足をもっと上げて」と指導されても、「何センチぐらいまでなのか」を説明されないと理解できないタイプだった。しかも、レッスンの一部始終をビデオで録画し、「それは他の練習生の迷惑になりますからやめて下さい」と言っても聞く耳を持たない。はっきり言って、困ったレッスン生だったのである。

 発表会まであと1カ月に迫った頃、里美さんは希望者を集めて補講をしたことがあった。ところが、そのことを高橋が聞いていなかったため、「自分だけ直接連絡を受けていないのはどういうことなのか?」と激しく詰め寄った。
 里美さんは「伝え漏れだとすれば、申し訳なかったです」と謝罪したが、その日は普段はやらない撮影チェックをしていたことを知り、高橋は再び抗議。うんざりした里美さんに「申し訳ありませんでした!」と吐き捨てるように言われ、高橋は里美さんに人知れず恨みを抱くようになった。

 発表会が終わった後、高橋は里美さんをつかまえて、しつこく詰め寄った。
 「何かオレに言うことがあるんじゃないか?」
 「もういいかげんにしてくださいよ」
 「いいかげんにしろ、とはどういうことなんだ!」

 高橋は物が揺れ落ちるほど机をたたいて激高した。その様子を見て他のレッスン生がおびえ、レッスンが中断する事態にまでなったので、オーナーが高橋を事務所に呼んで問いただした。
 「なるほど、それは講師の言い方も悪かったかもしれませんが、講師を呼び捨てにしたり、講義が中断するほどの騒ぎを起こしただけで、十分、入会規約に違反しています。あなたを教室に残すなら、退会すると言っているレッスン生もいる。ここはあなたが退会してもらえないでしょうか」
 高橋は、一度は「分かりました」と了承したが、それは泥沼のもめ事の始まりにすぎなかった。

関連タグ:男と女の性犯罪実録調書

事件新着記事

» もっと見る

補講の連絡を受けていないという理由でバレエ講師の指を切断した理不尽なドS男(1)

Close

マダムとおしゃべり館

▲ PAGE TOP