遠野舞子 2019年3月7日号

“二枚舌”で批判の横審 他に提言すべきこともあるのでは?

掲載日時 2019年02月04日 08時20分 [スポーツ] / 提供元 リアルライブ

“二枚舌”で批判の横審 他に提言すべきこともあるのでは?

 「ここまで扱いに差をつけるのか」、「自分たちが横綱に昇進させたくせに」、「横審が横綱潰しにいってどうすんだよ」、「これが今に始まったことじゃないのがまた悲しい」、「横審審議委員会を立ち上げた方がいい」

 これは、大相撲・横綱審議委員会(横審)に対して寄せられている、ネット上の批判コメントの一部である。今場所引退した稀勢の里には甘く、休場した白鵬、鶴竜には厳しいという“二枚舌”な見解に、多くのファンが懐疑的な見方を示している。

 ともすれば、国籍差別とも受け取られかねない横審の姿勢には、筆者も疑問に思うところがある。1人を甘く見るなら全員に甘く、厳しく見るなら全員に厳しく対応しなければなかなか筋は通らないだろう。

 一方、途中休場という結果に一言物申すのならば、その原因についても何らかの提言をしてもらいたかったとも思う。怪我で苦しんでいるのは、何も横綱陣に限った話ではないからだ。

 過密日程の巡業や大型化の進行により、現在、角界に身を置く力士は土俵内外で大きな負担にさらされている。ただでさえ、本場所で怪我や不安を抱えるリスクが増大しているのに、体調を整える時間はそこまで与えられない。こんな状況が続いているのだから、怪我が増えるのも当然だろう。

 現状の打破を願うファンの中には、「巡業数の減少」や「公傷制度の復活」といった対策の導入を訴える人もいる。しかし、外野の人間が声を上げるだけでは、なかなか協会はその重い腰を上げてはくれない。

 そこで横審の出番である。協会に多大な影響力を持つこの組織ならば、提言や改革案をダイレクトにぶつけることができる。横綱ですら休場が相次いでいるという“大義名分”があれば、協会に聞く耳を持たせることは造作もないだろう。

 何かと批判の矛先を向けられがちな横審だが、外野の人間では到底及ばない力を有していることは事実。“角界のご意見番”として、広い視野で物事を判断することも求められているのではないだろうか。

文 / 柴田雅人

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