中島史恵 2019年6月6日号

〈男と女の性犯罪実録調書〉③「彼女と話がしたかった」

掲載日時 2019年05月04日 00時00分 [官能] / 掲載号 2019年5月9・16日合併号

 事件当日、千秋さんを会社まで追跡したところ、ドアロックせずに車を離れたことを確認した。
「チャンスだ!」

 小川は夕方に車の後部座席に忍び込んで、千秋さんが戻ってくるまで1時間半も待った。何も知らない千秋さんは仕事が終わって車に乗り込み、車を発進させようとバックミラーを見たところ、知らない男がムックリと起き上がり、スタンガンを突き付けて「付き合ってくれ」と迫ってきたので仰天した。
「ギャーッ!」

 千秋さんはクラクションを押しまくり、車外に脱出しようとしたが、「ちょっと待ってくれ。オレはアンタのことをずっと見てたんだ。家だって知っている。もう、4カ月になる。コンビニで見て、一目ボレしたんだ。付き合うのがムリなら、せめてキスさせてくれ」と言って、強引に唇を奪った。
「誰かー、助けてー!!」

 千秋さんは車外に脱出。あまりの悲鳴におじけづいて、小川も逃げることにした。近くの民家にあった高校生の自転車を盗み、その場から逃走した。

 一方、千秋さんは冷静になって、「あの男はどうやってここまで来たんだろう。この駐車場のどこかに、あの男の車があるはずだ」と考え、駐車場を見回り、見慣れない軽自動車を発見。その車を写メするとともに警察を呼んだ。

 千秋さんから事情を聴いた警察は、千秋さんが行きつけにしていたコンビニの防犯カメラを確認し、千秋さんを付け狙う小川の姿を確認。車の所有者とも一致したため、小川を強制わいせつ容疑で逮捕した。

 法廷に現れた小川はさらに痩せこけ、ジーパンのウエストを両端からクリップで挟んで調整しなければならないほどだった。

「被害者に好意を持っていた。執行猶予中だったので踏ん張っていたが、自分の気持ちを抑えることができなかった。とりあえず彼女と話がしたいと思った。話ができたら死んでもいいと思っていた。自分に自信がなく、断られたら損なので、脅してでもわいせつ行為をしようと思い、スタンガンを持っていった」

 小川は懲役1年6カ月の実刑判決を言い渡され、前回の事件の執行猶予も取り消され、計3年6カ月も服役することになった。

 小川の母親(74)は「私も高齢であるため、もう監視はできません。私の力ではもう無理です。どうしたらいいか分かりません」とサジを投げた。

 こういう男は、どうしたら救われるのだろうか。結局、小川の母親が受け入れるしかなさそうだが、別の意味の「8050問題」も相当深刻である。
(文中の登場人物はすべて仮名です)

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