菜乃花 2018年10月04日号

10年不倫の果ての別れ話… 離婚の逆恨み 陰湿ストーカー男(3)

掲載日時 2018年04月02日 23時00分 [事件] / 掲載号 2018年4月5日号

 そこで白川はネットの質問サイトに、こんなことを書き込んだ。
 〈ストーカー規制法の対象として、警察に警告を受けている者です。不倫相手とは10年も付き合いましたから、言いたいことは山ほどあるのに納得いかないんです。自己保身のために公権力を使ったとしか思えません。合法的に仕返しをする手段なんて何かないでしょうか? 民事で訴えることも考えましたが、わずかな慰謝料のためではなく、精神的にダメージを与えたいのです。まともに話を聞いてくれるところがないので、ここでお尋ねしようと思った次第です。何とぞよきアドバイスをよろしくお願い致します〉

 ネット住民から受けたアドバイスは、職場にスキャンダルを流すか、職場を管轄する監督官庁に不祥事をタレ込めばいいというものだった。
 〈そうすれば、仕事を続けられなくなるでしょう〉

 白川は、かつて祐華さんから聞いた“保育士のご法度”のことを思い出した。
 「特定の子供だけかわいがったり、教室内で個人のスマホで撮影したり、副業でアルバイトをすることは禁止されているの。一応、立場は公務員だからね」

 白川は「祐華が職場をクビになれば五分五分だ」と考え、ありもしない事実を書いたビラを作り、それをFAXで市に送り付けた。
 だが、その後も特段変わった様子がないことから、「あれぐらいじゃ足りないのか」と思い、新たにネットで調べた県の子育て支援課、市の教育委員会、地元の社会福祉協議会に同様のビラをFAXで送信した。
 すでに1回目の市役所の件で捜査に動いていた警察は、新たに3カ所の関係部署から通報を受け、白川がコンビニからFAXを送っている姿を確認。ストーカー規制法違反の検挙理由としては珍しい「被害者の名誉を害する行為」を適用して逮捕した。

 それでも白川は祐華さんに対する不満を口にした。
 「まだ別れ話の途中のつもりでいたのに、警察に呼ばれて腹が立った。妻と別れることになり、その板挟みで苦しい思いをしているのに、もう一方の当事者である彼女が何事もなく被害者ヅラしているのも気に入らなかった。何とかして一矢報いてやろうと思った。接近したらダメなのは分かっていたけど、FAXなら近づいたわけじゃないし、間接的だからいいんじゃないかと思った」

 不倫が長続きすれば、別れたくなくなるのが人情というものだろう。だが、相手が未婚女性だった場合、別れ話を切り出してきたところで、スパッと身を引いて諦める覚悟が不倫男には必要だろう。
(文中の登場人物はすべて仮名です)

関連タグ:男と女の性犯罪実録調書

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