和地つかさ 2018年9月27日号

アルコール依存症の寿命は52歳? 危険なのは周囲の認識の欠如だ!(2)

掲載日時 2011年05月23日 12時00分 [健康] / 掲載号 2011年5月26日号

 一方、「オレは体質的に酒が強いから依存症にならない」と自信を持ってる人がいる。だが、これが危ないのだ。誰でも飲酒量に比例して“酔いの状態”は深くなる。量が増えれば脳のマヒがすすみ、死に至ることもある。お酒がおいしいのは適量のうちだけ。厚生労働省がすすめる1日の飲酒量の目安は、日本酒だったら1合まで。3合以上飲む人を「多量飲酒者」と呼んでいる。
 ちなみに日本酒の1合に見合うアルコールの含有量は、ビール/中瓶1本、ワイン/グラス2杯、焼酎/お湯割1合、ウイスキー/ダブル1杯だそうだ。

 アルコールは飲み続けていると耐性が上がり、同じ量のアルコールでは酔ったと感じなくなる。依存症の前期までは「酔った」と感じるまで飲むことができるが、依存症の後期になると「酔った」という感じがしなくなる。専門医によると、「酔った」と感じるのは脳内の神経回路にスイッチを入れるドーパミンの働きが低下してしまうからで、自分が感じないだけで、脳はアルコールの量に比例して“マヒ”しているという。
 日本にはアルコール依存症が80万人、重篤な“問題飲酒者”は440万人(厚生労働省)いると推定されている。しかし、アルコール依存症として入院、通院している人はわずか約2万人程度と言われる。だが、勘違いをしてはいけない。病院にこそ掛からないが「飲み続けているわけではないので依存症ではない」「何回もやめたことがあるから依存症ではない」と言い訳する人が周囲には少なくないはず。実は、これも立派な依存症なのだ。

 こんな状態を長く続けていると、肝臓だけでなく脳や神経を含めたあらゆる器官に影響を及ぼす。うつ、脳血管障害などのほか、数時間前のことが思い出せないでいたり、その間の記憶を“作話”するため嘘つきになってしまう“ヴエルニッケ・コルサコフ症候群”に陥る。これはビタミンB1の欠乏によって発症する病気。酒ばかり飲んでいるために肝臓がダメージを受けてしまい、栄養分の代謝が弱まり、栄養失調になってしまうのだ。
 アルコール依存症であることに無自覚でいると、最終的に認知症、がんなどの重篤な病気になる。アルコール依存の治療に当たる精神科医の間では「マジックナンバー52」という言葉がある。治療しないでいると、52歳前後で亡くなる人が非常に多いからだ。だが、依存症は治せる病気。きちっと治療すれば、脳の神経細胞が再生するという研究がアメリカで発表されている。

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