菜乃花 2018年10月04日号

「幸せになった元カレが許せない!」30年後にストーカーになった初恋の女(3)

掲載日時 2016年12月29日 23時00分 [事件] / 掲載号 2017年1月5・12日合併号

 だが、志保からは釈放後に何度も「謝りたい」「誤解を解きたい」という電話が掛かってきた。着信拒否にしても公衆電話から掛けてくる。たまりかねた松田は志保の実家に電話した。
 「おばさんですか。お久しぶりです」
 「まぁー、松田君じゃない。元気?」
 「実は、折り入って相談があるんですが…」

 松田はこれまでの志保との関係や志保が放火未遂容疑で捕まったことなどを話した。志保の両親は寝耳に水だった。直ちに志保を呼びつけ、厳しく叱責した。
 「アンタ、いい年して何してるのよ。こんなことを子供に知られたらどうするつもりなの。もう松田君に接触するのはやめなさい!」

 だが、志保は松田に対する怒りをさらに募らせた。
 「私に言えばいいのに、何で両親に…。自分は電話にも出ないくせに…」
 その後、志保は昼夜関係なく無言電話を掛けるようになった。警察はそれが志保の仕業であることを特定し、ストーカー規制法に基づく警告を出していたが、それでも攻撃が止むことはなかった。松田は疲れ切り、妻の実家に避難し、自宅の売却まで検討し始めた。

 それが終わることになったのは志保が生活苦からスーパーで万引し、警察に突き出されたからだ。警察は余罪として松田に対するストーカー規制法違反容疑でも逮捕。事件は新聞報道されることになった。
 「もう志保には全く興味がない。いまだに放火の件を認めず、こちらを逆恨みしているのが怖いです。二度と関わりたくないので、厳重に処罰してほしい」

 松田と志保が付き合っていたのは有名な話だったので、同級生たちは“30年後の成れの果て”に騒然となった。志保は示談金として松田に30万円を支払った。
 「今後、松田君と一切関わらないようにします。もう見掛けても声を掛けたりしません。社会的にも成功し、幸せに暮らしている松田君に嫉妬し、八つ当たりしてしまった。そのせいで自分の家族や両親にも迷惑を掛けた。松田君には勝手に住所を突き止めたことを謝りたかった。だけど、放火したのは私じゃありません」

 青春時代の思い出はすべてが美しくなってしまうものだが、その場にいた仲間たちがその後も同じような人生を歩むとは限らない。
 げに恐ろしきは女の嫉妬である。自分を幸せにしなかった男に対する当て付けは、子宮が覚えているのだ。
(文中の登場人物はすべて仮名です)

関連タグ:男と女の性犯罪実録調書

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