和地つかさ 2018年9月27日号

話題の1冊 著者インタビュー 中村淳彦 『AVビジネスの衝撃』 小学館 780円(本体価格)

掲載日時 2015年10月03日 18時00分 [エンタメ] / 掲載号 2015年10月8日号

 −−男優は“男の憧れの職業”ですが、一流になる人はどういうタイプなのでしょうか?

 中村 現在、AV女優が6000人くらいいる中で、男優は70〜90人ほどしかいません。1日100現場あるといわれるAV撮影を、その人数で回すわけです。そうなると毎日、毎日、セックス漬けになります。まず絶対に必要なのは尋常ではない“性欲の強さ”と“女とセックスへの執着”です。思春期にモテなかった人の方が、モチベーションが継続して、長く活躍していますね。

 −−男優の役割も時代とともに変わっていったのですか?

 中村 2000年あたりを境にレンタルからセルの時代になって、競争が激しくなり、AVは性風俗的な一面に特化するという方向が延々と続いています。AV女優との絡みは、猥褻性の高い結合部をあらゆる角度から見せるという時代になりました。レンタル時代は撮影に時間のかかるドラマやドキュメントが多かったのですが、現在は1本あたりの撮影時間が短くなっています。となると男優は、一つの現場の労働が少なくなりますので、売れっ子になると1日に2〜3の現場を掛け持ちするようになります。要するに朝から晩までセックスです(笑)。その生活に耐えられる体質、精神力、気質の有無が、男優としての適正をはかる上で重要でしょう。

 −−デジタル化によってAV業界が激変したといいます。今後、業界はどのようになっていくのでしょうか?

 中村 出版や音楽業界も同じですが、複製が簡単になって無料の物が溢れると、DVDやブルーレイなどが売れなくなります。結果、DVDショップが潰れます。メーカーはショップに卸すパッケージ販売が、売り上げの6割くらいを占めているのですが、そうなるとさまざまなセクションを抱えての経営は、成り立たなくなりますね。また、ジャンルの細分化も続いているので、一つのコンテンツを全国で一斉販売するというビジネスも厳しくなるでしょう。

 −−中国では日本のAVが大人気といいますが、活路は外国に?

 中村 現在、AVを購入しているのは中高年男性とオタクしかない状態です。今後、産業として継続させていくには、女性と海外に目を向けるしかありません。しかし、アジアでは日本AVの海賊版が溢れています。海外でビジネスできる可能性があるのは、AV女優とプロダクションだけでしょうね。AV監督は女性向けや一般作など、表現の幅を広げていくしかないんじゃないでしょうか。

(聞き手:程原ケン)

中村淳彦(なかむら あつひこ)
1972年生まれ。出版社を経てフリーライターとなる。主な著書に、企画AV女優たちの壮絶な生と性を記録した『名前のない女たち』シリーズ(宝島社)、介護業界の危険な現実を描いた『崩壊する介護現場』(ベスト新書)などがある。

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