紗綾 2019年8月1日号

ツアー会社も目をつける ベルギーの未成年者への「安楽死法」適用

掲載日時 2014年03月02日 11時00分 [社会] / 掲載号 2014年3月13日号

 先ごろ、ベルギーの首都ブリュッセルの議会が、18歳未満の未成年者への安楽死を認める法案を採択した。これまでの年齢制限を撤廃し、医師と両親、そして未成年者本人の合意があれば、仮に5歳であっても安楽死することが合法化するという。法案はフィリップ国王の署名を受けて成立するので、反対派は署名拒否に一縷の望みを託している。
 「とはいえ、70%以上の国民が同法案を支持しているので、国王の署名拒否は非現実的。成立すれば、隣国オランダの安楽死法は12歳以上と年齢制限があるので、ベルギーが世界で最も極端な安楽死の国となりますね」(東京在特派員)

 ベルギーでは2012年に1432人が安楽死を遂げたが、その数は全死者数の2%に相当し、年々増加している。こうした事態にローマ・カトリック教会・ベルギー司教会議議長も強く反対するが、聖職者の未成年者への性的虐待が多発した同国では、カトリックは国民から信頼を失っており、ほとんど影響していないようだ。
 「スイス、ドイツ、スウェーデン、エストニアでも、医療による回復が期待できない患者の希望を受け入れて安楽死を援助しても、刑法には引っかかりません。その点は、法的に認めていないため刑法上殺人罪の対象となる日本とは違います。安楽死を禁止している国からこれらの国々に“安楽死ツアー”が行われ、社会問題となっています」(同)

 安楽死問題は、個々のケースを慎重に考えなければならない点で非常に難しいテーマだ。
 「安楽死を合法化している国では過去、安楽死を装った殺人や臓器移植に絡んだケースなど、その現場ではさまざまな問題が噴出している。無意味な延命措置は非人間的とはいえ、日本人の心情には『生命の尊厳』という譲れない部分がありますからね。日本での成立は望めないでしょう」(同)

 個人主義の強い欧米ならでは、ということか。


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