森咲智美 2018年11月22日号

話題の1冊 著者インタビュー 江崎道朗 『マスコミが報じないトランプ台頭の秘密』 青林堂 1,200円(本体価格)

掲載日時 2016年12月11日 16時00分 [エンタメ] / 掲載号 2016年12月15日号

 ――日本ではトランプ氏当選を否定的に見る向きがありますが、実際、アメリカではどのように捉えられているのでしょうか?

 江崎 アメリカの庶民は、一代で1兆円ともいわれる莫大な富を築き、絶世の美女と結婚しているトランプのような人が実は大好きなんですね。そもそもトランプはNBCという大手テレビ局で断トツの視聴率を上げてきた『アプレンティス』という番組でホストを10年近く続けていて、知名度も抜群。お茶の間の人気者なんです。日本で例えるならば、ビートたけしさんと石原慎太郎さんを足して億万長者にしたのがトランプなんです。

 ――トランプ政権が今後、日本に及ぼす影響としては、どのようなものが考えられますか?

 江崎 トランプを選挙で支えたのは、福祉に頼らず、懸命に働いて家族を養っている中産階級と、オバマ民主党政権のもとで第二次大戦後、最低レベルまで落ちた米軍の状況に危機感を抱いた軍関係者たちです。特に後者は、中国の軍事的脅威に敏感なので、米軍の予算を増やし、中国の脅威に立ち向かう方向に進むでしょう。日米同盟重視を掲げている安倍政権であるならば、日米関係は飛躍的に改善されていくことになると思います。安倍政権が防衛費を倍増するという目に見える形で日米同盟を強化する方針を打ち出すならば、トランプ政権は円安を容認し、日本の対外貿易は増加するでしょう。景気回復はさらに進むでしょうね。

 ――日本の安全保障問題も気になります。今後、日米関係はどう変わっていくと思いますか?

 江崎 トランプは企業経営者の感覚で「アジア太平洋の安全を守るというビジネスのため、日本に共同経営者になってほしい」と言ってきているわけです。トランプ陣営の安全保障の専門家とも話をしましたが「共同経営者である以上、出資(防衛費増額)をして、一緒にアジア太平洋の平和をどう守るのか考えてほしい」と言っているんですね。というのも、彼らは『ドラゴン・スレイヤー(竜を殺す人=対中強硬派)』と呼ばれ、尖閣諸島などで日本の味方をすべきだと主張してきた人たちなのです。これまでのように「アメリカから言われたことだけしておけばいい」という『受け身』の日米同盟から、どうやって中国や北朝鮮の暴走を抑止し、アジアの安定を維持するのか。「日本自らが主体的に考える」日米同盟へと変わっていくことになると思います。日本も一人前の独立国家になるチャンスを迎えたと言ってもいいかも知れません。
(聞き手/程原ケン)

江崎道朗(えざき みちお)
1962年、東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、安全保障、インテリジェンス、近現代史研究に従事。現在、評論家。

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