菜乃花 2018年10月04日号

専門医に聞け! Q&A 胃がんの予防

掲載日時 2017年11月05日 10時00分 [健康] / 掲載号 2017年11月9日号

 Q:2歳上の兄に最近、胃がんが見つかりました。胃がんはピロリ菌が原因とのこと。兄もピロリ菌に感染していました。私も感染しているなら、胃がんになるということでしょうか。
(46歳・ホームセンター勤務)

 A:胃がんは、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)という細菌によって起きることが分かっています。他の国に比べて日本はピロリ菌感染者が多く、しかも、胃がんが多いことはよく知られています。
 ピロリ菌は水や糞便、食べ物の口移しなどを介して感染します。日本では昔から感染者が多く、高齢になるほどその割合が高いとされ、日本人の感染者は3500万人とも言われます。
 ピロリ菌には、いくつかの型があります。日本を含む東アジア諸国と欧米のピロリ菌には発がん性の強さに違いがあり、東アジアの型は発がん性が強いことが以前から分かっていました。

●まずはピロリ菌の検査を
 だが、その違いの原因は分かっていなかったのですが、つい最近、東京大学の研究によって、原因はピロリ菌がつくるタンパク質の違いにあることが解明されました。
 ところで、日本人に胃がんが多い理由の一つに塩分のとりすぎがあります。かつての日本では、地域によって胃がんの発生率に大きな違いがありました。
 多かったのは日本海側の地域で、冬は野菜がとれないために保存した漬け物を食べることが多く、塩分を摂りすぎていたことが原因です。
 それが冷蔵庫の普及、食品流通の拡大によって漬け物を食べる割合が減り、それに伴って胃がんも減ってきたのです。
 塩分の摂取過多は胃がんのリスクを高めると考えられ、ピロリ菌感染による発がんリスクをもさらに高めると考えられています。
 ご質問の方は、お兄さんが胃がんになったからといって、いたずらに怖がることはありません。
 しかし、まずはピロリ菌の検査をしましょう。もしも感染していたら、除菌治療を受けてください。そして、その有無に関係なく、塩分を摂りすぎないように注意しましょう。

中原英臣氏(山野医療専門学校副校長)
東京慈恵会医科大学卒業。山梨医科大学助教授、新渡戸文化短期大学学長等を歴任。専門はウイルス学、衛生学。テレビ出演も多く、幅広い知識、深い見解を駆使した分かりやすい解説が好評。

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