園都 2018年6月28日号

専門医に聞け! Q&A 運動の本当の意義とは?

掲載日時 2017年09月18日 10時00分 [健康] / 掲載号 2017年9月21日号

 Q:運動が好きで、いつもジョギングや筋トレをして体を鍛えています。筋肉モリモリですが、友達に「そんなに筋肉をつけたって、たいして健康には意味ないよ」と言われました。本当でしょうか。教えてください。
(29歳・社会保険労務士)

 A:おそらく友人は、「健康のための運動の意義は筋肉を鍛えることではない」と言いたかったのでしょう。運動して筋肉、つまり肉体を鍛えるという考え方は本来、西洋のものです。肉体を鍛える運動は、かつては戦いに勝つためのものでした。
 近代スポーツも、しいて言えば体力の限界に挑戦して優劣を競うもので、健康という面からは疑問に感じてしまうものが多いと言えるでしょう。ジョギングもバーベルも西洋からきた運動で、これはどれも肉体、特に骨格筋を鍛えるものです。
 それらが「動」であるのに対し、太極拳や気功、日舞など、東洋のものは「静」です。これら静の運動は、呼吸をメーンにおいています。その呼吸は腹式呼吸で、腹式呼吸が血液の浄化につながるのです。

●散歩しながら腹式呼吸を
 腹式呼吸を行うものの代表的なものに座禅があります。座禅は、筋肉を適度に緊張させ、刺激しながら内臓に気を巡らせます。行禅といって、歩きながら行う禅もあります。
 究極は、お釈迦様の涅槃仏で、体を横たえたまま、脳や内臓だけを働かせます。つまり、必要最低限の動きで健康になります。
 運動の東洋的な概念は、気と血の調整です。気は人体エネルギーで、気が全身を順調に巡ることによって健康が保たれます。血もまた全身を巡っていますが、気は血を支配しているので、血が順調に巡るためには気が順調に巡ることが条件です。
 つまり、健康のための運動の目的は体(筋肉)を鍛えることにあるのではなく、気、血の巡りをよくすることにあるのです。ただし、筋肉をつけることが健康にとって無意味というわけではありません。
 とはいえ、行禅や涅槃仏も無理ですから、散歩しながら腹式呼吸をするのがよいでしょう。そして、夜は十分に睡眠をとるようにしてください。

岡田研吉氏(研医会診療所漢方科医師)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病等に成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。

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