林ゆめ 2018年12月6日号

ユニクロ 『ヒートテック』も失速で値下げ断行のアタフタぶり

掲載日時 2016年04月26日 14時00分 [社会] / 掲載号 2016年5月5日号

 流通業界のカリスマ経営者、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長が自身の退任を発表した4月7日、もう1人のカリスマも苦虫をかみつぶしたような表情を浮かべていた。カジュアル衣料品店『ユニクロ』を運営するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長である。

 ファストリは、この日行われた決算記者会見で業績予想を大幅に下方修正、'16年8月期の純利益は従来予想を500億円下回る600億円とした。前年同期に比べ45.5%の大幅減だ。
 「利益半減の業績予想に対し、翌8日にはファストリ株が急落、市場全体も押し下げる『ユニクロ・ショック』を引き起こしました。内紛を抱えながらも業績自体は好調なセブンに比べ、ユニクロはかなり厳しい。積極的に海外進出を進めてはいますが、会社の根幹である国内のユニクロ事業が散々です」(担当記者)

 消費者離れの元凶は明らか。一昨年の冬物で約5%、昨年の冬物で約10%と、2年連続で実施した値上げだ。円安による原材料高や海外生産拠点の人件費増などでやむを得ない事情はあったにせよ、何よりも魅力だった「安さ」が失われたことが反発を招いた。
 その結果、夏物より単価の高い『ヒートテック』『ウルトラライトダウン』など“ユニクロブランド”の底力を発揮すべき冬物販売のスタートダッシュに失敗。暖冬の影響もあって、2月末で844店舗のうち上半期('15年9月〜'16年2月)の既存店売上高は1.9%減、客数も6.3%減だった。
 「値上げによって薄れた“ユニクロ=格安”のイメージを取り戻そうと、年明けの1月と2月には値引き販売を強化しました。これによって売上高の大幅減は免れましたが、採算は逆に悪化して利益を減らす原因になった。より低価格の衣料品を販売するブランド『ジーユー』は増収増益でしたから、柳井会長が『より買いやすい値段にしたい』とさらなる値下げを示唆したのも、まさに正念場であることを表しています」(同)

 カジュアル衣料界を席巻し続けた『ユニクロ』が今、岐路に立っている。

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