菜乃花 2018年10月04日号

旅行サービス会社時代の知識を駆使 パイロットを装った婚活詐欺師(3)

掲載日時 2016年04月18日 23時00分 [事件] / 掲載号 2016年4月21日号

 あれほどセックスしまくった仲なのに、まるで別人のように手のひらを返し、あっけなく白紙に戻った。ここで安田が思い知った教訓は「絶対に偽パイロットだとバラしちゃいけない」ということだった。
 安田は自分自身が恋愛することを諦め、婚活詐欺に徹することにした。その点、好みではなかったが、金だけは持っている理絵さんは格好の餌食だった。

 だが、理絵さんから話を聞いた理絵さんの母親は安田の素性に疑問を持った。
 「それで会社には問い合わせてみたことあるの?」
 「そんなことしないわよ。彼のこと、信じてるから」
 「それなら一度、確認してからでも遅くはないわよ」

 冷静な母親のアドバイスに従って全日空に確認したところ、「そのような者はおりません」という返事だった。理絵さんはようやく目が覚めた。興信所を使って安田の家を割り出し、母親と2人で訪れたところ、話が全部ウソだったことが分かった。
 「どういうことなの? 私を騙したのね。警察へ行くわよ!」
 「待ってくれ。それだけは勘弁してくれ…」

 安田は「金116万円を借りました」という借用書にサインした。それからは、どうとりなしても無駄だった。電話にも出てくれず、メールの返事もない。そもそも借金まみれなのに、まとまった金が用意できるはずもなく、結局、理絵さんには1回も返済しなかったため、警察に訴えられ、詐欺容疑で逮捕された。
 「気が付けば周囲から人がいなくなり、誰からも相手にされなくなった。でも、本当のことを言えば、また自分は1人ぼっちになってしまう。それだったら、騙せるだけ騙した方がいいと思った」

 詐欺は騙される方が悪いのだろうか。金を騙し取られたわけではない美保さんは事件にもできなかった。理絵さんは安田の親族から50万円を受け取り、「もうかかわるのも嫌だから」と残りの債権を放棄した。
 ちなみに安田が勤務していた詐欺会社は、今も運営を続けている。
(文中の登場人物はすべて仮名です)

関連タグ:男と女の性犯罪実録調書

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