☆HOSHINO 2019年6月27日号

値引き乱発、宅配サービス、60秒ルール 9年ぶり減収減益 日本マクドナルドが篏った“落とし穴”(1)

掲載日時 2013年03月24日 11時00分 [社会] / 掲載号 2013年3月28日号

 「殿、ご乱心!」
 日本マクドナルドが、3月8日から3週間の期間限定で始めた無料券プレゼントキャンペーンに関し、内部からこんな驚きの声が上がっている。
 キャンペーンの対象となるのはマックフライポテト、チキンマックナゲット5ピース、朝マック販売店舗でのハッシュポテトで、1個買えば1個おまけになる。消費者には結構なことだが、そのどこが「ご乱心」なのか−−。

 同社は昨年12月決算で大幅な減収減益となった。実に9年ぶりのことで、2004年に原田泳幸社長('05年から会長兼務)が就任して以来、増収を謳歌してきた既存店売上高も3.3%のマイナスに転じるなど「デフレ下の勝ち組」とされてきた神通力が、ついに怪しくなってきた。そこで原田社長は「価格戦略を見直し、値引きはしない」と宣言、創業以来の定番商品であるビッグマックの活性化を戦略の基本にするとぶち上げていたのだ。
 ところが、その舌の根も乾かないうちに、またまた値引き戦略に打って出たのである。
 12月決算と同時に発表した1月の既存店売上高が、前年同月比17%の大幅減と、坂道を急に転がり落ち始めた事情があるにせよ、これでは社内ならずとも「原田社長がブレまくっている」としか映らない。

 マックの業績が落ち込んだ理由は明白だ。同社は100円バーガーや値引きクーポンで客を集め、これをテコにセットメニューなどの高額商品を売り込む戦略で成長してきた。しかし、ここへ来てコンビニ弁当や牛丼など外食産業の生存競争が激しくなり、集客効果を狙った値引きキャンペーンにしても「客は増えても単品購入にとどまり、高額商品やセットメニューの販売拡大にはなかなか結びつかない」(関係者)のが実情。新年早々には、注文から60秒以内に商品を届けることができなければハンバーガーの無料券を提供するなどの“奇策”にも打って出たが、前述のように1月は散々な結果だった。

 実は原田社長、12月期決算発表の段階で、今年の3月までは「戦略転換の過渡期」を理由に既存店売上高が前年比10%程度下回ることにも言及していた。問題は転換する戦略の中身で、看板メニューであるビッグマックを売り込む原資を捻出するため、開発や販売促進に費用が掛かる新商品を大幅に減らし、値引きキャンペーンもやめるというのが基本戦略だった。
 ところが今回、相変わらずのキャンペーンに手を染めることになった以上、原田社長が唱えるこの“戦略転換”ウンヌンの掛け声はむなしく響くだけ。前出の関係者も冷ややかだ。
 「ビッグマックは高い販促費用を投入しなくても売れる人気商品ですが、若者の間では意外に認知度が低い。そこで原田社長は1〜3月の新商品投入を極力抑え、この間をビッグマックの認知度を上げる期間と考えたようです。『戦略転換の過渡期』とは、それを指してのことですが、裏を返せば原田社長は若者にビッグマックの存在価値をアピールしてこなかったことになり、経営者としては怠慢の一語に尽きる。むしろ一昨年までの増収増益が奇跡だったというしかありません」

関連タグ:日本マクドナルド 外食産業


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