森咲智美 2018年11月22日号

「謎の中国人に精液を搾取された…」拉致強姦魔が主張した奇妙な“陰謀説”(2)

掲載日時 2016年05月08日 21時00分 [事件] / 掲載号 2016年5月12・19日合併号

 ところが、なぜか男は途中でやめて、留美子さんを車の中へ引き戻した。
 「やっぱりこんなところじゃ集中できん。いつ人が来るかも分からない。残念だが、オレは逃げることにする。金目の物を出せ!」
 留美子さんが「持ってません」と答えると、「ウソつくな。もし出てきたら許さんぞ!」と脅し、財布の中の1万円弱と2万円相当の腕時計を奪った。

 「よし、じゃあ元の場所に戻してやる。ただし、お前はオレの顔を見るな。ずっとフェラしとけ」
 パチンコ店の駐車場に戻ると、男は逃走。留美子さんは店に駆け込んで助けを求めた。直ちに警察がやって来て、留美子さんは病院へ。膣内からは犯人のモノとみられる男の精液が検出された。
 「犯人は興奮状態でした。何かクスリでもやっていたのかもしれません」

 その事件での捜査中、警察署に1本のタレコミ電話がかかってきた。「知人の男から犯行を告白された」というものだった。
 「小川洋司という男が犯人だ。奴のDNAを取ってみれば分かるよ。オレの素性は勘弁してもらいたい」

 小川洋司(36)はしょっちゅう警察の厄介になっている男だった。少年時代から傷害などで検挙歴があり、最近では3年前に覚醒剤取締法違反で有罪判決を受け、執行猶予期間を満了したばかりだった。
 警察は半信半疑で行動確認を開始。現在の顔写真を撮影したが、被害者は複数の写真の中から犯人として選び出せなかった。捜査員の1人は「ガセじゃないのか?」とつぶやいた。
 しかしその後、小川がチューブ入りのアイスクリームをコンビニのゴミ箱に捨てたので、回収して唾液のDNAを照合したところ、留美子さんの膣内から検出された精液のDNAと一致。小川は監禁と強姦未遂と強盗の疑いで逮捕された。

 「オレじゃない。全く身に覚えがないことだ。その場に行ったこともない」
 「被害者の膣内から出た精液がお前のものと一致してるんだぞ。トボけるな!」
 「それはオレがハメられたんだ…。正体不明の中国人の男に精液を採られたことがあるんです…」
 「ああーん? お前、また安いシャブでも打ってるんじゃないのか?」
 ところが、不思議なことに家宅捜索で押収された小川の靴は、犯行現場に残された足跡と一致するものがなかった。その上、車内に残された指紋や掌紋も小川と一致しない。要するに精液以外、何も物的証拠がない状況だったのだ。
 「お前、中国人がどーたら言ってたな。どういうことなんだ、話してみろ」
 「オレはこの半年間、ずっと恐ろしかったんです…」

関連タグ:男と女の性犯罪実録調書

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