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歌謡(うた)のマドンナ 第6回 小桜舞子 デビュー曲が秋田限定で空前の大ヒット! 「歌で福祉のために役立つことを」

掲載日時 2016年03月20日 12時00分 [芸能] / 掲載号 2016年3月24日号

歌謡(うた)のマドンナ 第6回 小桜舞子 デビュー曲が秋田限定で空前の大ヒット! 「歌で福祉のために役立つことを」

 大人の恋をしっとり歌い上げる魅力と、可愛らしさを兼ね備えた小桜舞子。子供の頃からテレビの歌番組によく出ていたという。
 「『日本ちびっこ歌謡大賞』や『全日本ちびっこ歌まね大賞』などに出ていました。一番最初は4歳の時。番組の企画で、初めて会った男の子と一緒に『3年目の浮気』を歌って審査員特別賞をもらいました。よく歌っていたのは松村和子さんの『帰ってこいよ』や細川たかしさんの『北酒場』。番組側の企画で昭和の名曲を歌うことも多くて、そこでたくさん曲を覚えましたね」

 しかし、歌手になりたいわけではなかった。
 「ただ好きで、楽しいから歌っていたんです。なかなか会いに行けなかった祖父母に、元気にしている姿をテレビを通じて見せてあげたかったからというのも大きな理由です」

 当時はやっかみもあったという。
 「同じ番組に出ている子たちはみんな真剣に歌手を目指していて、賞を獲れないと大泣きしていました。その横で、私がたまたま賞をもらって無邪気に喜んでいると、付き添いで来ていた母から血相を変えて怒られたものです(笑)。今活躍している歌手やタレントさんの中にも、同じ番組に出ていた方がたくさんいます。スカウトされる子もいましたが、ほとんどがうまくいかないのを見ていたので、『芸能界は怖いところ』と、親も歌の世界に入ることには反対でしたね」

 高校1年の時、横浜で行われたNHKのど自慢に出場。見事に鐘を鳴らした。
 「歌ったのは坂本冬美さんの『祝い酒』。放送当日がちょうど祖母の誕生日で、『おばあちゃん、お誕生日おめでとう。いつまでも元気でいてください!』とテレビを通じてお祝いを言うことができたんです」

 歌手に憧れる気持ちはありつつも、福祉の道に進むことを考えていたという。老人ホームなどへ慰問に行って歌う活動も続けていた。
 「もともとお年寄りが大好きでしたし、ちびっこ歌番組に出ていた子同士で老人ホームに慰問に行って歌い、喜んでもらえた経験も大きなきっかけです。将来は施設で働きながら、時々レクリエーションの時間とかに皆さんに歌を聞かせてあげたりして、歌手にならなくてもそういう形で歌えればいいと思っていました」

 進路に決心がつかないまま短大に進学。その頃、信頼できる人物(現在の所属事務所社長)を紹介され、この人の元でならと親も納得して、歌手になることを決意。'03年に『恋する城下町』でデビューした。
 「デビュー曲は桜の名所として有名な秋田の角館町を歌った作品で、NHK秋田放送局開局70周年記念曲として作られたものでした。誰に歌わせるかを考える際、新人で、のど自慢出身でNHKとも縁があるということで、神奈川出身であるにもかかわらず私を選んでくださったそうです。当時は秋田限定で、NHKのニュースや朝ドラの前後に、秋田の名所の風景映像のバックに私の歌が流れるという形で、毎日のようにオンエアされました」

 そのおかげで発売前から大人気になった彼女。秋田でのフィーバーぶりは凄まじかった。
 「秋田県内の売上ランキングでずっと1位。演歌だけじゃなくて、浜崎あゆみさんや宇多田ヒカルさん、モーニング娘。さんなどがいる中での総合1位でした。NHKで『小桜舞子、15週連続1位なるか!?』という特番が組まれたほど。イベントで歌う時は、お客さんが殺到して危ないからと、客席に降りるのを止められました。CD即売会で色紙が足りなくなって、町中から色紙を買い集めてくれたのに、それもなくなって、お客さんの着ている服にサインしたことも。その年は秋田に60回以上は通いましたね。角館町の観光大使にも任命していただき、今も毎年春の『桜まつり』をはじめ、年に3回は秋田におじゃましています。いまだに私が秋田出身だと思っている人も多いですね(笑)」

 福祉への思いは今も持ち続けている。昨年に、介護の資格を取った。
 「『介護職員初任者研修』を取得しました。きっかけは、小さい頃から可愛がってくれた知人の女性が入院したことでした。お見舞いに来ていたお孫さんが福祉の専門学校で学んでいる人で、寝たきりの人を動かすための体位変換などを、いとも簡単にやっていたんです。手品みたいでした。それを見て、やっぱりきちんと勉強したいと思って…。その職に就くかどうかは別にして、介護ってみんな通る道ですし、コツを知っているのと知らないのとでは大きく違いますから。する側も、される側も、お互いに気持ちよくやれる方がいいですよね」

 歌手だからこそできることとして、今も各地の福祉施設へ慰問に訪れている。
 「『青い山脈』『東京ラプソディ』といった、皆さんが知っている曲を歌います。昭和の名曲って、タイトルを言わなくてもイントロが流れた瞬間に『あっ! 知ってる!』って顔をなさるのがすごいですよね。歌で記憶が呼び起こされるみたいで、認知症の方が急にしゃべれるようになったり、手拍子することで体のいろんなところが刺激されて、元気になるみたいです。そんなふうに喜んでいただけると私もうれしい。自分の歌がちょっとでも誰かの役に立つことがあるんだと分かると、歌手って幸せな職業だなと思いますね」

こざくらまいこ=1978年6月6日神奈川県茅ヶ崎市生まれ。2003年『恋する城下町』でデビュー。現在、秋田県仙北市と、千葉県木更津市の観光大使を務めている。これまでに15枚のシングルを発売。最新曲は『しのぶ坂』。

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