森咲智美 2018年11月22日号

危険ドラッグ30億円相当摘発 中高年に忍び寄る薬物SEX

掲載日時 2017年11月29日 18時00分 [事件] / 掲載号 2017年12月7日号

 11月9日、関東信越厚生局麻薬取締部は、危険ドラッグの製造と密売を行っていたとして、医薬品医療機器法違反の疑いで、東京・世田谷区に住む岩村学容疑者(無職=50)を含む23歳〜76歳の男女8人を逮捕したことを発表した。
 「捜査員が9月、岩村容疑者らがドラッグの“製造工場”にしていた、神奈川県川崎市内の民家を家宅捜査したところ、約180kキロ、末端価格で30億円相当の危険ドラッグと、その原料となるハーブ約1.6トン、製造に使用したと思われる撹拌機や遠心分離機などが見つかった。ドラッグの押収量としては国内最大規模ですが、2階建てのごく普通の民家、しかも匂いや物音もしなかったことから、近隣住民も全く気づかなかったのです」(厚労省関係者)
 グループのリーダー格とされる岩村容疑者は容疑を認め、「3年ぐらい前から始めて、月3000万円ぐらいの収入があった」と供述しており、販売を開始した'13年頃から、10億円相当を稼いでいたと見られている。

 危険ドラッグは、覚せい剤や大麻などの違法薬物と似た成分を含む、法をかいくぐるために作られた薬物。乾燥したハーブに化学物資を混ぜた、いわゆる脱法ハーブをはじめ、液体、粉末、錠剤のものがある。
 「行政側の用語として当時は“脱法ドラッグ”と呼ばれていましたが、大麻に代わる、安価で規制にも引っ掛からないドラッグとして若者を中心に急速に広まったのが、2011年あたり。“本場”のアメリカでは、同年から'12年にかけ、当時では最も興奮作用が強いとされた『バスソルト』と呼ばれるドラッグに絡む事件が多発したのです。最も有名なのが、フロリダ州で全裸の男がホームレスの男性の顔面を食いちぎり、警官によって射殺された『マイアミゾンビ事件』でした」(裏モノライター)

 その名の通り、『バスソルト』は吸引すると体温が上昇し中枢神経が刺激された上、脳のリミッターが外れ狂暴化し、ゾンビ状態になるという代物。すでに日本でも'12年の時点で広島県や埼玉県のアダルトショップやドラッグショップを中心に出回り、問題視された。そのため'13年から規制が強化され、呼び名も'14年から“危険ドラッグ”に変更されるが、指定薬物を避けたドラッグが続々現れる結果を招いた。
 「店舗を構えたショップは'15年、一斉摘発により壊滅状態になったが、結局は売り買いの場がネット上に移っただけ。今回逮捕されたグループも、'14年頃からネット上に密売サイトを開設して販売を行っていた。しかも発覚を免れるため、支払いには仮想通貨であるビットコインを使用。さらには海外の業者を迂回させて金を回収するなど、手口が巧妙化している。“工場”で発見された機材についても、中には捜査員が初めて見るような高度なものまであったという。そのためバックには密売グループや海外の組織が存在する可能性も指摘されているのですが、イタチごっこなのが現状」(社会部記者)

 '14年、東京・池袋駅付近で危険ドラッグを使用した男が運転するRV車が暴走し、跳ねられた1人が死亡、6人が重軽傷を負った事件は記憶に新しいが、規制強化後もその手のトラブルや事件は後を絶たない。
 「バスソルトは覚せい剤に勝るとも劣らない恐ろしい薬物ですが、『スパイス』『K2』の商品名で人気のある合成カンナビノイドも、非常に危険なことで知られています。この2つは、一見、タバコの葉や大麻のように見えるハーブですが、ハーブを切り刻んだものに合成カンナビノイドが吹きつけられている。これは他に『Mojo』『Scooby Snax』『Black Mamba』『Annihilation』など600を超える名で販売され、当局の監視をかいくぐり、着々と中毒者を増やしているのです」(前出・ライター)

 そんな中毒者は今、若者のみならず中高年にも広がっているという。
 「家庭や仕事でのストレスを抱えていることも原因でしょう。もともと酒でごまかしていた人がネット検索などで発見し、手を付けてしまう場合が多い。もちろん、利用していることは家族にも言わないし、購入も支払いもネット上で済んでしまうからバレない。受け取り方法だけ気を付ければいいわけです」(同)

 さらに中高年を駆り立たせるのが、セックス時の高揚感だという。
 「いわゆる“キメセク”というやつですが、年を取り、勃起力が衰えた40代から70代の男が、“春よもう一度”とばかりに興味本位で飛びつく。危険ドラッグの中には、覚せい剤以上の多幸感を得るものもあり、射精する瞬間の感覚は効果が切れるまで延々と続く。病みつきになるわけです」(同)

 ちなみに、危険ドラッグの製造で使用される化学物質は、90%が中国で作られているという話もある。
 「もちろん、金儲けの面もありますが、国策としてアンチ日本の中国は、ドラッグ成分を日本へ送り込むことに積極的。若者から高齢者まで、ドラッグ漬けによる崩壊を狙っているとまで言われている。東京五輪に向け、日本のイメージダウンのためにますます流入量は増えると見られている」(前出・厚労省関係者)

 危険ドラッグの闇は深い。

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