菜乃花 2018年10月04日号

中高年ライダーが楽しむ「原付二種」スローバイク生活(1)

掲載日時 2016年07月02日 14時00分 [エンタメ] / 掲載号 2016年7月7日号

 今、二輪の国内市場において、原付二種の販売シェアが伸びている。『二種』と聞くと何やらタクシーやバスなどの業務用免許のように思えるが、実際は排気量50〜125t未満のカテゴリーに区分された小型自動二輪免許のことだ。最近は街でバイクを見る機会もめっきり少なくなり、需要はかなり減っていると思っていたのだが…。
 「確かに国内のバイク需要は年々減少しています。1995年には120万台以上あったのですが、現在はその約3分の1の40万台前後まで落ち込みました。主な原因は、かつて全体の8割以上を占めていた50t以下の原付スクーターが減ったことです。少子化の影響で学生の通学利用が減ったことと、高齢者の免許返納が増えたことで徐々に落ち込んでいったのです。しかし、縮小した市場の中で、にわかに脚光を浴びてきたのが『原付二種』なのです」(二輪雑誌ライター)

 自動車免許のおまけ(付帯免許)として乗ることのできる、いわゆる“原チャリ”は、気軽に利用できることで大人気となったが、その反面、時速30キロメートルの制限速度や二人乗りができないなどの制限も多く、あくまでも通勤、通学や近所の買い物用として利用することがメーンだった。一方、原付二種は制限速度は車と同じ60キロメートル、二人乗りも可能で、おまけに煩わしい交差点での二段階右折の必要もないとあって、近年、見直されているのだ。

 実際に原付からのステップアップとして『AT小型限定普通二輪免許』の取得者も増えている。
 「気軽にスクーターを利用したいんだけど、原付では30キロ制限もあるしパワーもないので、もう少し大きい排気量にしたいという教習生が増えていますね。また、通勤や通学に利用しつつも、休日にはツーリングにも行ってみたいという目的もあるようです。実際に本格的にバイクに乗りたい方は、普通自動二輪や大型自動二輪免許を目標にしていますが、最近の若い人でそこまで求めるケースはあまり多くはないですね」(都内の教習所関係者)

 AT小型限定普通二輪免許が導入されたのが2005年。その年の合格者は4002人だったが、昨年は1万4049人と実に導入から11年で3倍以上に拡大している(警察庁『運転免許統計』)。付帯免許で乗れる原チャリじゃ物足りないが、本格的なバイクまでは必要ない−−。AT免許で乗れる原付二種スクーターがお手頃でいいという人が、いかに増えているかが分かるだろう。

 そんな中、排気量1000t超の大型リッターバイクに憧れてツーリングを楽しんでいた40代、50代の中高年リターンライダー(青春時代を思い出して再びバイクに乗り始める人)が、原付二種に乗り換えるパターンも増えている。休日の道の駅で、グループのメンバーに話を聞いた。
 「私たちのツーリングクラブはメンバー全員が原付二種です。かつては大型に憧れてハーレーや国産ビッグバイクを所有していたのですが、正直、楽しかったのは最初だけでしたね。スロットルを軽くひねろうものならアッという間に100キロ以上のスピードが出てしまい、一体、狭い日本のどこでその性能を生かせるのかと(笑)。また、車重も200キログラム以上はありますから、取り回しなどで体力的にもつらくなってしまって…。メンバーの中にはバイクを扱いきれず、事故ってしまった者もいます。幸いにも大きなケガには至りませんでしたが、その彼も事故をきっかけに小さなバイクに乗り換えました。原付二種では高速を使ったツーリングはできませんが、ゆっくり景色を見ながら下の道を走ることが楽しくて仕方ありません。これも小さいバイクならではですね」(52歳・会社員)
 「今思えば、見栄だったのかな。BMWやドゥカティなどの外国車はカッコいいですからね。でも、壊れたときの修理代や維持費はかなり掛かりますし、乗るのは月に数回程度。磨いてばかりじゃ高性能も発揮できませんよ(笑)。結局、2年で売ってしまって、今は毎日の通勤にも使える原付二種です」(47歳・会社員)

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