絶好調!? 横浜DeNAで急浮上したイチロー次期監督

スポーツ・2015/04/20 16:00 / 掲載号 2015年4月30日号

 春の珍事では済まされなくなってきた中畑ベイスターズの快進撃。開幕から15試合を終えて9勝6敗(4月13日現在)。チーム打率.280、64得点、13本塁打はともにリーグトップ。1998年に権藤博監督の下で優勝したあのマシンガン打線に、バズーカ砲をトッピングしたような猛攻軍団だ。

 17年前の元祖マシンガン打線は石井琢、鈴木尚がけん引し、谷繁、ローズの主軸が返す高性能銃器。大魔神・佐々木の超ストッパーもいた。それに比べて2015年型は当初、地味な印象だったのは否めない。昨年22本塁打した筒香嘉智は別格としても石川雄洋、梶谷隆幸、倉本寿彦といずれも“無印優良品”。抑えも小魔神、今春に亜細亜大を卒業したばかりのルーキー山崎康晃だ。これでなぜこうも勝てるのか不思議。なにより指揮官はあの天然キャラの中畑清監督だ。
 「ワガママ助っ人のおかげですよ。総額5億円で獲得したグリエルに開幕直前にドタキャンされ、チーム構想が大崩壊した。下馬評では今年も最下位候補に挙げられていたのですが、深追いせず、逆に契約解除したことが良かった。予想外の効果をもたらしています。というのも球団はこの5億円をなかったものとして、優勝ボーナスに計上しようとしているのです。昨年の巨人は82勝61敗でリーグ優勝している。今季も優勝ラインは80勝前後でしょう。そこで1勝あたり600万円の特別査定枠を設け、その勝利試合の貢献度に応じて選手個々に年俸とは別にボーナス支給ということのようです。もっとも球団からすれば、あくまで優勝が前提だから支払わないで済む可能性の方が高い。逆転の発想で、グリエルに逃げられた痛手を勝利のエネルギー源にしているのです。万年Bクラスのチームが快進撃を続けるのは、この5億円のおかげです」(スポーツ紙デスク)

 もう一つ。ベイスターズ急上昇の理由はグラウンド外にもある。任天堂とDeNAの合体だ。
 オープン戦真っただ中の3月17日、ゲーム界を揺るがす出来事があった。任天堂とDeNAが資本・業務提携を発表したのだ。
 「これで任天堂が誇るマリオやポケモンがスマホで楽しめるようになる−−。市場に与えた衝撃は非常に大きかった。発表翌日の両社の株価はともにストップ高です。任天堂の時価総額は一夜にして4000億円増え、DeNAは売りに対して買いが150倍に達し、1300億円以上の買い注文を残して取引を終了したほど。球界一の巨人の年間選手総年俸は45億円ほどですから、スケールが桁外れに違う。その物差しでプロ野球を経営するのですから、ベイスターズが変身するのは至極当然なのです」(大手広告代理店)

 アベノミクスに背中を強烈に押され、兜町は日経平均2万円を突破し、経済界はバブル再来に沸いている。自社株を大量に保有するIT企業のオーナーたちはわが世の春、資産をさらに増やした。ソフトバンクの孫正義社長の資産総額は1兆6300億円、楽天の三木谷浩史社長は3900億円。今年からベイスターズの球団オーナーに就いたDeNAの南場智子取締役も400億円で、あのトヨタ自動車・豊田章男社長を上回っている。これだけみても、巨人や阪神が伸び悩むのが理解できる。

 今回の業務提携を受け、ベイスターズの若手選手の目の輝きが変わってきたという。シアトル・マリナーズの筆頭株主は任天堂の米国法人。これでメジャー挑戦の夢がぐんと膨らみ、大きな刺激となっているのだ。
 いわば、DeNAが米国でも球団を所有するようなもので、この先、どのようにも展開できる。相互の交換留学のような形で、本来認められていないレンタル移籍も事実上可能になる。メジャー進出で先行していた巨人、ソフトバンクはまとめて追い抜かれた格好だ。今後、メジャーを目指す有力選手はベイスターズを無視できなくなる。

 その任天堂と切っても切り離せないのがイチロー(41)なのだ。マリナーズ時代の年俸14億円の一部は、現役引退後に備えて任天堂の株式で得ていたともいわれ、結果としてDeNAともつながった。そこで急浮上してきたのが、中畑清の後任監督だ。
 今年で監督4年目を迎えた中畑監督だが、支えてくれた春田真前オーナーが退任。ハーバード大学ビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得した“女傑”南場オーナーは任天堂との絡みもあり、イチローの監督招聘を強く望んでいるという。
 「横浜は今、大きく変わろうとしています。2020年五輪・パラリンピックを最優先する東京都がお台場のカジノ誘致にブレーキをかけたことで、横浜市の山下ふ頭地区にカジノ場建設が確実になった。そのIR(統合型リゾート)の一環として、同地区に新しいドーム球場の建設計画が持ち上がっているのです。メジャーで活躍した“イチロー監督”なら海外からもプロ野球ファンを呼べ、興行的にも期待できる。この計画を前へ進めるためにも、横浜市の経済界にイチロー待望論が広まっているのです。横浜をプロ野球のメッカにしようということです」(地元記者)

 もう忘れてしまったかもしれないが、DeNAは今年のオープン戦で“セ・リーグ優勝”。おそらく、ここでも実弾が飛び交っていたのだろう。
 ハマのニンジンは半端ではない。

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