葉加瀬マイ 2018年11月29日号

話題の1冊 著者インタビュー 山之内幸夫 『日本ヤクザ「絶滅の日」 元山口組顧問弁護士が見た極道の実態』 徳間書店 1,000円(本体価格)

掲載日時 2017年10月16日 18時00分 [エンタメ] / 掲載号 2017年10月19日号

 ――神戸市長田区で起きた『任侠山口組トップ襲撃事件』をどのように見ていますか?

 山之内 任侠山口組・織田絆誠代表の車列が襲撃され、ガードの組員が射殺された事件では、神戸山口組系組員1名が指名手配されました。襲撃は任侠側の記者会見への報復と考えられますが、分裂した者同士が喧嘩しても将来への展望はなく、ただの消耗戦です。任侠側は返しに走るべきか苦しい胸の内と思いますが、一矢を報いても無益な懲役になります。
 内輪揉めの殺傷は後に賞賛される可能性もなく、それどころか組の存続自体が怪しくなるでしょう。

 ――現在、山口組は3つに分裂しています。山之内さんは「再び組が一つになるべき」とおしゃっていますね。

 山之内 山口組は3つに割れましたが、いずれ合流の適状期が来れば必ず1つになるでしょう。同じような山口組は3つも要りません。例えば、第2山口組は覚せい剤のシノギが中心、第3山口組は加入脱退が自由で、振込詐欺や窃盗、盗品売買でやっていく、というならまだしも、お互い、切り崩しや縄張りの奪い合いを続けるだけの3分割ならばもたないでしょう。
 現在の分裂状態は警察の無茶苦茶な過剰権利行使の口実になっており、昨今の目に余る微罪検挙を見ていると、もはやヤクザに人権はありません。組員たちはシノギすらままならない窮状に追いやられながらも、相手といがみ合わねばならず、そもそも何が原因で憎しみ合っているのかさえ、分からなくなっているのです。

 ――合流の時期、条件案はありますか?

 山之内 今後、組員脱落に歯止めがかからず、組織が風前の灯火となった時に合流の時期が訪れるでしょう。私は3年と見ています。合流の方法は、出ていった組員たちが本家に戻ってくるしかありません。戻った傘下組員たちは六代目山口組二次団体のいずれかに吸収され、実力を見て新直参への道が開けていくのがいいと思います。ただし、山健組と宅見組は実績に鑑みて名跡を残す。任侠山口組代表の織田さんは情熱や求心力を持っているので、山口組に戻り、リーダーシップを発揮してほしい人だと思っています。

 ――今後、ヤクザの生き方は増々、厳しくなりますね。

 山之内 ヤクザは警察の目こぼしの中で生きている日陰者であることを忘れてはいけません。世の中には法が禁じてもなくならないシノギが必ずあるのだから、目立たないように立ち回れば世論もそうそう目くじらは立てないと思います。
(聞き手/程原ケン)

山之内幸夫(やまのうち・ゆきお)
1946年、香川県小豆島に生まれる。早稲田大学法学部に進学、'72年に司法試験に合格する。'84年に山口組顧問弁護士就任。'15年、建造物損壊教唆罪で有罪が確定し弁護士資格を失う。

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