森咲智美 2018年11月22日号

森友学園問題 火だるま安倍首相を蹴落とす麻生副総理の再登板

掲載日時 2017年03月15日 14時00分 [政治] / 掲載号 2017年3月23日号

 愛国教育ぶりも物議を醸している学校法人森友学園が、4月に大阪府豊中市で開校を予定していた『瑞穂の國記念小學院』建設用地の国有地払下げ問題。大幅値下げの不自然さに政治家の関与疑惑は深まるばかりだが、そのド真ん中にいるのは、何と言っても夫人が同小学校の名誉校長に就任していた安倍晋三総理だ。
 「万が一、森友学園の籠池泰典理事長と昭恵夫人が国会に参考人招致されれば、安倍さんは一気に窮地に立たされる。最悪、総理辞任も現実味を帯びてくる」(自民党関係者)

 これまでの経緯を振り返ると、発端は2月8日、豊中市議が、森友学園への国有地の払い下げ価格を非公示とした近畿財務局の決定が違法だとして、大阪地裁に提訴したことに始まる。
 「しかも、払い下げ価格が相場の10分の1の1億3400万円だったことが発覚。小学校の名誉校長が昭恵夫人ということもあり、“森友学園と政治家の間で不正な取引があったのではないか”との疑惑が急浮上した」(全国紙政治部記者)

 自民党の鴻池祥肇元防災担当相側が財務省との交渉に関与したことも判明。鴻池氏は会見で金銭授受を否定したが、森友学園側の陳情があったことを認め、一方の財務省は値下げについて、敷地から発掘された大量のゴミの撤去費用を差し引いたという苦しい答弁。
 この状況に、ある野党議員は強気にこう言う。
 「いずれにせよ、政治家の直接的な関与が疑われる。そのため、ゆくゆくは昭恵夫人の国会招致も視野に入れ、籠池理事長らの国会招致を要求する。自民党も国民の疑惑が膨らむ中、動かざるを得ないだろう」

 その自民党内からも疑念が噴出している。たびたび安倍政権批判を繰り返し、総理の座を狙うとされる石破茂前地方創生担当相などは、「非常に奇怪なお話としか言いようがない」、「政府・与党の責任として、きちんと襟を正して解明すべき」と発言している。
 自民党幹部がこう明かす。
 「森友学園との関わりについて昭恵夫人が公人か私人かという論議もあるが、世界の常識を見ても公人なのだから総理も逃げ切れない。実際、最終的に財務省などに圧力をかけたのは鴻池氏ではなく、安倍氏に近い人物だったという噂までありますからね。そんなことから、早くも“ポスト安倍”が取り沙汰されている。石破氏は派閥規模を考えても現時点では無理でしょう。その筆頭は、麻生氏ですよ」

 この幹部によれば、麻生太郎氏には、先の日米首脳会談においてアメリカ側の要望で随行を求められたことで追い風が吹き始めたのだという。
 「日米の具体的な経済政策については、麻生氏とペンス副大統領をトップに自動車、農業、金融各分野で枠組みを作ることが決定した。つまり、麻生氏が各省庁の利害調整の実権を一手に握ったということ。これまで安倍政権のキーマンは、菅義偉官房長官、自民党の二階俊博幹事長とされ、麻生氏は“形だけの副総理”と言われた。しかし、アメリカは菅氏の外交能力には極めて懐疑的で、二階氏も中国の代弁者としか見ていない。そこで麻生氏に白羽の矢が立ったわけです」(同)

 かくして安倍政権内において、主導権を握った麻生氏。
 「自民党総裁任期が3期9年に伸びたことで、安倍政権の長期化が現実路線となり、麻生氏は自身の総裁への道を半ば諦めかけていた。しかし、そこへ来ての森友学園問題。対米関係を考えても総理と副総理双方を変えることは無理があり、安倍氏が動けなくなれば、麻生氏の総理再登板の可能性が一気に高まる。財務相としての麻生氏の責任? 野党の追及の矛先は安倍氏で、それは関係ない」(同)

 一方、「麻生氏は自ら運を呼び込んだ」(政界事情通)との見方もある。
 「森友学園問題が起きる前から、麻生氏は麻生派の為公会を拡大する動きを活発化させていた。目的は大宏池会構想で、岸田派(宏池会)や、かつて宏池会だった谷垣グループ(有隣会)を再結集させ、議員数で安倍総理出身の細田派(清和政策研究会)を超えることにある。その上で、総裁選出馬がダメなら総裁を決定づけるキングメーカーを狙っているのです」(同)

 その成果もあり、2月には甘利明前経済再生相ら4人が為公会に入会。麻生派はこれで45人となり、細田派、額賀派(平成研究会)、岸田派に次ぐ自民党第4派閥となった。
 加えて、ここへ来て谷垣グループ約20人の半数近い議員と、山東派(番町政策研究会)も麻生派への合流の動きを見せており、第2派閥に躍り出る可能性も高まった。ここに岸田派が合流すれば、細田派97人を圧倒することになる。
 「岸田派会長の岸田文雄外相は、麻生氏の下につけば総裁への道が遠のくことから、大宏池会構想を嫌っていた。しかし、急遽の麻生氏登板となれば、'18年9月の総裁任期満了後にチャンスが回ってくる。その際の麻生氏の後押しを条件に、岸田氏は乗り気になっています。一方、森友学園問題で早々に会見をした鴻池氏は麻生派で為公会会長代行。麻生氏のためなら何でもやる。果たして今後、何が飛び出すか」(同)

 麻生氏の総理再登板はあるのか。森友学園問題の動きとともに注目だ。

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