園都 2018年6月28日号

北朝鮮「機密文書」で警告する中国の「金正恩排除、ハンソル政権樹立」工作

掲載日時 2017年11月22日 10時00分 [社会] / 掲載号 2017年11月30日号

 就任以来初のアジア歴訪を終えた米トランプ大統領の腹の中は、もはや北朝鮮をハンマーでたたくべきか否かではなく、どうチェーンソーで斬り刻むかにあるようだ。
 「これまで北朝鮮は8つもの米朝協議の合意文書に違反してきたのです。日韓の慰安婦合意破棄を見るまでもなく、朝鮮半島の住人に約束事は無意味です。トランプ大統領は今回、北朝鮮は核廃棄か、さもなければ未来はないということを明確に示しました」(国際ジャーナリスト)

 ただし、トランプ大統領は中国の習近平国家主席から28兆円の“手土産”をもらい、若干、中国の“話し合い路線”に乗りかねない懸念も出てきている。
 「米国のビジネスパーソンらは『中国は10回同じ契約書を出す』と中国との契約はほぼ“詐欺”に近いことを知っていますが、トランプ大統領がそれを承知しているかは疑問ですね」(同)
 それでもトランプ訪中を無事終えた習近平政権は、北朝鮮問題により深く首を突っ込んでいくことは明らかだ。中国にとって北朝鮮問題解決の難易度は、対米国をにらんだ南シナ海における領有権問題や、宇宙空間における覇権確立に比べて高くはないからだ。

 開戦へのシグナルは在韓米軍家族らの待避だというのが定説化しているが、それはすでに行われていると軍事専門家は言う。
 「沖縄の米軍基地の地下には巨大なシェルターがあって、軍人家族はそこへの避難訓練をシミュレーションしていますが、ワシントンの軍事外交筋は次の3つのレッドラインを設定しています。(1)北朝鮮がグアム方面に向けてミサイルを発射、あるいは発射態勢に入る。(2)在日・在韓米軍両基地を標的にミサイルを発射、あるいは発射態勢に入る。(3)米本土に到達する大陸間弾道弾を実戦配備、あるいは実戦配備態勢に入る。というものです。しかし、第4の選択肢も浮上しています。それは、米国が北朝鮮にメッセージを送る目的で軍事行動を起こすといういわば限定攻撃といえ、フルスケールの戦争には至りません」(軍事アナリスト)

 限定攻撃はこうだ。(1)米軍は金正恩党委員長の所在を常に把握していると暗に知らせる。(2)6時間以内に朝鮮人民軍100万人のうち3分の2が展開する38度線周辺部隊を壊滅させる。部隊が持つ240ミリ多連装ロケットや170ミリ自走砲などの長射程火砲を全壊させれば、38度線から40キロほどしか離れていないソウルは無事だ。
 「米国防総省からは、6時間以内にこれができる可能性が75〜80%あればやるだろう、という情報を得ています」(同)

 昨年7月に脱北し韓国に亡命した北朝鮮元駐英公使の太永浩氏が11月1日、米下院外交委員会の公聴会で証言し、こう述べた。
 《正恩は、米国を攻撃可能な核戦力を整えて圧力をかければ、在韓米軍の撤退も実現可能だと判断しており、そうなれば、北ベトナムに飲み込まれた南ベトナムと同様、韓国を手中にし得ると考えている》
 韓国の日米に対する裏切りが明らかになった現状を鑑みれば、在韓米軍撤退は絵空事とも言い切れないが、太氏はまた、北朝鮮社会の内部において富裕層が台頭し社会は徐々に資本主義化しており、人々の意識が大きく変化して、人民蜂起が起きる可能性は高まっているとも語った。

 そんな折、気になるニュースが報道された。
 「今年2月にマレーシアで暗殺された北朝鮮の金正男氏の長男、金漢率氏を暗殺しようと、正恩党委員長が北京に派遣した偵察総局の特殊工作員が中国公安当局に逮捕されたと、10月30日、韓国紙中央日報が報じたのです。となれば漢率氏は中国にいることになりますが、中国当局からの発表はなく、中国が守護していることへの期待感が込められたフェイクニュースの類いかもしれません。正男氏の殺害後『千里馬(チョンリマ)民防衛』を名乗る団体が、漢率氏とその家族を安全な場所に保護したと明らかにし、オランダと中国、米国の支援に感謝の意を表明しました。このため居場所については、中国だけでなく米英仏蘭、イスラエル説まで飛び交っています」(前出・国際ジャーナリスト)

 実は北朝鮮は昨年1月の核実験以後、中国市民や解放軍および共産党幹部のうちの親北派に対して秘密の調査を行ったという。その報告は正恩党委員長に上げられたが、調査結果は以下の内容だった。
 「中国人民の80%が政府による北朝鮮との断交を支援し、軍の将軍の70%が北朝鮮との間に交わされた『中朝友好協力相互援助条約』(中朝どちらかが他国から侵略された場合に参戦する)を破棄してもよいと考えている。北朝鮮が言うことを聞かないなら新しい体制が必要であり、いまの正恩体制を除去し漢率を擁立するというもので、この結果を知った正恩は『白頭山の地下に中国を攻撃するためのミサイル基地をつくれ』と命令しています」(北朝鮮ウオッチャー)

 正恩委員長の激怒を受けた労働党の内部文書には、《すべての党員と勤労者は、共和国(北朝鮮のこと)を裏切った中国の圧迫策動を、核爆風の威力で断固として打ち砕こう》と呼び掛け、中国への核攻撃も辞さないという過激な姿勢を示した。
 北朝鮮の核ミサイルは、弾頭の向きをグルリと180度翻せば、中国全土がターゲットだ。“皇帝”習近平が、それを黙って見すごすはずはない。

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