専門医に聞け! Q&A 現代医学に欠如する妊娠・出産中のケア方法

健康・2011/11/20 12:00 / 掲載号 2011年11月24日号

 Q:妻が2人目の子を身ごもり、4カ月目になります。前回の妊娠時には、むくみがひどく、尿にたんぱくも出ました。漢方を服用すれば、妊娠時の症状を軽くできると聞きましたが、本当でしょうか。教えてください。(30歳、電子機器メーカー勤務)

 A:妊娠中はさまざまな症状や異常が生じます。つわりは正常な反応ですが、それがきつ過ぎるのも当人にとっては困りものでしょう。
 妊娠の後期には、むくんだり、尿にたんぱくが出たり、静脈瘤ができることもあります。妊娠糖尿病となり、血糖値が上がることもあります。
 また、出産間近になると、くり返し微弱な陣痛が起こりますが、それによって、生まれる子が脳性麻痺になることもあります。その他、母胎の胎盤機能の不全によって、赤ちゃんの発育が遅れることもあります。
 周知のことですが、妊娠・出産は母胎にとっても赤ちゃんにとっても、大きなリスクをはらんでいるわけです。それに対して、現代医学においては、それらをケアする教科書的な方法はありません。

●妊娠時の症状に漢方薬が有効
 一方、漢方には古くから、つわりや妊娠中毒症に対処する漢方薬があります。
 たとえば、むくみに対しては利水薬の防已黄耆湯や柴苓湯が効果的。むくんでいる足も、見た目もスッキリし、不快感も解消します。これらの漢方薬を服用することによって、腎臓の機能が回復し、水腎症の予防にも役立ちます。
 意外に思うかもしれませんが、むくんでいるのに、それを自覚していない場合が多いのです。足を手の指で押してみて、指が5ミリくらい入るならむくんでいると思ってください。
 また、妊娠糖尿病は、巨大児の出産を引き起こすことがあります。本格的な糖尿病に進むこともあり、生まれた子供も糖尿病になることがあります。この妊娠糖尿病も、漢方薬で血糖値を正常にコントロールすることが可能です。

●鍼灸もお勧め
 さらには、胎盤の機能不全や微弱な陣痛に対応する処方(漢方薬)もあります。
 このように対処することによって、母親の体を健康に保ち、生まれてくる赤ちゃんも健康にすることができます。
 なお、妊娠から16週間は、薬を服用することはできません。漢方薬の服用も、妊娠の中期から始めることが勧められます。
 そして漢方とは別に、鍼灸も妊娠中の症状や異常に対応することができます。
 最近では、妊娠時のケアに力を注いでいる女性の鍼灸師さんもいます。そういう鍼灸院を探して、治療を受けるのも一法です。

岡田研吉氏(玉川学園・岡田医院院長)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病などに成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。

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