福島原発事故のこれから チェルノブイリ隠された男女生殖器機能不全の実態(3)

社会・2012/04/07 11:00 / 掲載号 2012年4月12日号

 衝撃の報告書、『第5節(6)尿生殖路の疾患と生殖障害』からの引用。
【前文より一部抜粋】
 放射線被曝は、腎臓、膀胱、尿路ばかりでなく、卵巣と精巣にも直接の損傷を与える。しかし、卵巣と精巣は、直接的な放射線の影響だけでなく、内分泌攪乱を通じて間接的な影響も受ける。構造的ならびに機能的なこれらの障害によって生殖過程が損なわれる。
 チェルノブイリの放射線による尿生殖路の機能の異変についてはいくつか研究例があるものの、深刻な異変のすべてを説明するに足る情報はいまだ存在しない。たとえば、放射線核種が体内に取り込まれた結果、女性の体内の男性ホルモンのレベルが上昇するのは予想外のことであり、また、各種の放射線核種が性成熟の速度に対して相矛盾する影響を与えることも予想されていなかった。
【データより一部抜粋】
《汚染地域に住む妊婦のうち、合計54.1%に子癇前症、貧血、胎盤損傷がみられた》
《キエフ州の重度に汚染された地域では特に流産が頻発した》
《汚染地域における原発性不妊症の数は、1991年には1986年の5.5倍に増加した。不妊症の明白な理由には、6.6倍に増加した精子異常、硬化嚢胞性卵巣の倍増、内分泌障害が3倍に増加したことなどが挙げられる》
《若い男性(25歳から30歳)のインポテンツと地域の放射能汚染の程度には相関関係が認められる》
《避難者の子どもで、大惨事後に診察を受けた女児および少女1017人(8歳から18歳)のうち、11%に性発達の遅れ(第二次性徴の発達不全、子宮発育不全、初潮の遅れ)がみられ、14%に月経機能障害があった》
《大惨事後8年間にわたって汚染地域で行われた1万6000人の妊婦を対象とした調査の結果、次のことが明らかになった。すなわち、腎疾患の罹病率が12%から51%に増加し、羊水過少症が48%の増加。新生児呼吸器疾患が2.8倍に増加し、早産はほぼ2倍に増加。また妊娠30週から32週という通常より早い時期に胎盤劣化がみられた》

 前文の抜粋にあるように、放射線被害の実態把握の難しさは想像を超える。そして、何十年先までも見据えた対応が絶対に必要になる。「一日でも早く戻りたい」と願っている福島の人々に対し、政府は真摯に対応することができるのだろうか。
 あの時、一刻も早く避難対象を拡大すべきだったのに、「パニックになるのを避けた」と後になって認めたこの国の政府に…。

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