鈴木ふみ奈 2018年11月1日号

『昭和のおんな』100回記念拡大版 第2話 戦争未亡人 伸代 (当時26歳・岩手県) 昭和26年

掲載日時 2018年09月26日 00時00分 [エンタメ] / 掲載号 2018年10月04日号

 19歳で夫を戦争で失くした私は、性の悦びをよく知りませんでしたが、時々、体の中で暴れ狂う欲情の嵐と戦うのは大変な事でした。

 7月のある午後、家族の目を盗んで藁小屋の隅でモンペの中に手を入れて陰核を撫で摩っていました。頭にいつも浮かべる男性は亡き夫ではなく、好意を寄せている同居人の義弟・純也(20)でした。

 外が急に大雨になり、程なくびしょ濡れの純也が駆け込んで来て、着ている物を全部脱いで裸になったのです。そして、私に気付いていない彼は、やにわに陰茎を両手で握ってシゴき始め、やがて、「伸代さ〜ん、伸代〜!」と私の名前を口走ったのです。

 私は嬉しさの余り気が動転して側に駆け寄って急いでモンペを脱ぐと、「オラにハメてくんろ!」と、抱きつきました。

 純也は藁束の上に私を倒して少し前戯をしてインサートしました。だんだん、キモチよくなった私は胸の内で「赤ん坊が欲しい!」と叫んでいました。

【解説】
 大勢の若者が戦死して、婚期の女性の間で若い男を頼ったり、慕ったりする傾向が高まった時期だった。このため、女性を美しくするパーマ屋や洋装店、化粧品屋がいち早く人気商売になっていた。そこに集まって来たのは、未来を見つめるしっかり者の“戦後派女性”たちだった。
 結局、藁小屋の情交で赤子を身ごもったこの未亡人は義弟と入籍したのだが、このようなケースで再婚する戦争未亡人が、終戦後しばらくは全国に大勢いた。亡き夫の遺伝子を無事に引き継いだ彼女らの喜びは、ひとしおだったようだ。

関連タグ:昭和のおんな

エンタメ新着記事

» もっと見る

『昭和のおんな』100回記念拡大版 第2話 戦争未亡人 伸代 (当時26歳・岩手県) 昭和26年

Close

▲ PAGE TOP