中島史恵 2019年6月6日号

海外投資家が三行半「欠陥ニッポン企業に投資価値なし」(2)

掲載日時 2011年11月18日 11時00分 [社会] / 掲載号 2011年11月24日号

 オリンパスに追随して大王製紙も、刑事事件進展後に上場廃止に追い込まれるとの観測が浮上している。同じ“御三家”でも、政府が国策として東京電力を破綻処理に追い込めない以上、「スキャンダル垂れ流しの両社を市場から放逐しなければ、欧米投資家の日本不信は払拭できない」というのだ。

 ここへ来て勢いを増す日本企業のガバナンス欠如を指摘する声は、何も東証の斉藤社長だけに寄せられているわけではない。米ウォール・ストリート・ジャーナルは10月28日付社説で『説明責任を回避する日本企業−−問題はオリンパスだけか』とのタイトルで不思議の国・ニッポンを斬って捨てる。冒頭で「オリンパス疑惑の際立った特徴は、外国人を社長にしていなければスキャンダルにならなかったことだ」と指摘、返す刀で日本企業のガバナンスに言及。曰く「ガバナンスは常に改革の入り口で足踏み状態にある。改革への取り組みが進んでも、企業幹部が説明責任を逃れるため新たな方法を見つける。(中略)オリンパスには3人の社外取締役がいるが、その役割が疑問視されている」というのだ。
 この社説は、あの“ホリエモン事件”にも触れていた。日本では証券取引法違反に問われたが、真の罪は敵対的買収を仕掛けることで市場を撹乱したこと。能力に欠ける経営者を排除する米国式資本主義は日本では受け入れられなかったと指摘、その延長でオリンパス事件を捉えているのは興味深い。
 「言い古された言葉ですが『日本の常識は世界の非常識』ということ。その欧米流をもってすれば、マネー疑惑を炙り出そうとした社長が解任されること自体が正気の沙汰ではありません。創業者の孫が『会社の金は俺のもの』の小遣い感覚で億単位の金を調達させたのも同様です。それを踏まえれば、彼らとの違いを堂々とアピールする経営者が現れて然るべきなのですが、誰も手を上げない。だからこそウォール・ストリート・ジャーナルが『問題はオリンパスだけか』と噛み付くのです」(経済記者)

 原発の大惨事で今後とも後ろ向きの対応を迫られる東電は別として、これで上場会社から第3のスキャンダル企業が出てくれば、海外ならずとも投資家は愛想を尽かし、猛然と売り浴びせるであろう。
 「実は、原発事故に伴う計画停電が実施された際、『取引に参加できずに大損した』という海外個人投資家の声が多く聞かれました。大事な金を預けていられないと、既に巨額の海外マネーが撤退しています。今後、両社に司直のメスが入り、アンタッチャブルな部分が次々と明るみに出ればどうなるか。それこそ欧米流とは本質を異にする日本式資本主義に幻滅して保有株を叩き売るに決まっている。両社の上場廃止もさることながら、そのことを市場はもっとも恐れているのです」(前出・市場関係者)

 個人投資家の怒りは、まさに株価直結である。捜査当局の動きともども、市場からも目が離せない。

関連タグ:オリンパス・大王製紙


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