葉加瀬マイ 2018年11月29日号

日本ハム 清宮幸太郎の“かませ犬”となる残留した中田翔

掲載日時 2017年12月01日 14時00分 [スポーツ] / 掲載号 2017年12月7日号

 FA権行使は諦めた。中田翔(28)は日本ハムで朽ち果てるしかなくなった。「次」にあの清宮幸太郎(18)が控えているから…。

 11月14日、札幌市の日ハム球団事務所は慌ただしかった。立て続けに会見が行われ、まずピッチャーの増井浩俊がFA権を行使すると表明した。先発を務めた昨季は10勝、抑えに再転向した今季は27セーブを上げ通算110セーブを通達。プロ2年目以降、救援なら常に50試合以上を投げてきた。そのタフネス右腕が去就を語った後、トリで中田が雛壇に登場した。
 「いろんな人といろんな話をさせていただきました。最終的には家族としっかり話をして、こういう結果になりました」

 日ハム残留を決断。というか、獲得に名乗りを挙げる球団がないことを知ったからだろう。
 「阪神は一塁か外野で大砲タイプの助っ人を補強します。でも、候補リストに入っていた有望選手は次々と移籍先を見つけ、3億円以上をふっかけてくる者もいて…。だからこそ中田を諦めきれず、動向を注視していた。FA補強するということは、中田に限らず、在籍チームよりも高い年俸を出すということ。ただ、『未知の助っ人に3億円を出すよりは中田』の声もありましたが、『今の中田に2億円以上の価値があるか?』と言われたら、誰も反論はできません」(球界関係者)

 今季は打率2割1分6厘、16本塁打、67打点と低迷した。阪神が尻込みした理由は、さらに2つ。得点圏打率が1割9分5厘で、'17年の年俸が「2億8000万円・Aランク」ということだ。獲得しても、金銭補償を要求されたとき、80%の2億2400万円が必要となり、人的補償でも、「選手1人+50%の1億4000万円」の出費が必要となる。さらにFA選手への“メンツ”が加算されて、複数年契約を提示してやらなければならない。最低の2年を提示しても、6億円というところか。
 「シーズン後半、中田は『福良さんトコもええかも』と口走ったそうです。オリックスの福良淳一監督は元日ハムコーチです」(同)

 この「福良さんトコ」発言が本当なら、FA交渉解禁となった同16日、本人は赤っ恥をかくことになる。
 「オリックスが阪神からFA宣言した大和を狙っていたのは報道の通り。同時に、水面下では増井との交渉も始めていました。増井の代理人とオリックスが接触しています」(同)
 オリックスはシーズン中から日ハム戦を視察していた。それも通常のスコアラー派遣ではなく、FA選手の調査。だが、中田の「福良さんトコ」発言は“自分を見ている”わけではなかったのだ。

 その中田は残留会見で、清宮のことにも触れた。
 「一塁手で、(守備位置が)かぶっている。あれだけ有名な選手。ちょっと必死にならないといけない」
 中田は厳しい表情でそう答えた。厳しい表情をそのまま受け止めれば、「定位置争いの好敵手出現に危機意識を高めている」ということになるが、プロの世界で10年もメシを食ってきたベテランが、高卒ルーキーに怖じ気づく理由はない。怖じ気づいているフリをし、場を和ませようとした“ヤンキーギャグ”とも解釈できる。
 「中田や他の日ハム選手は、ドラフトの1週間くらい前に、清宮の1位入札を知ったようです。中田にすれば、ポジションが重複する有望新人を獲る真意は察したはずです」(スポーツ紙記者)

 周囲に慰留されての残留。会見でその動きをした者として挙げたのは、家族、ファンだった。
 「球団からは?」の問いを受け、中田はようやく「お前が必要と言ってもらえた」と答えた。清宮が一人前になるまでは使ってもらえそうだが…。
 「話題性ということで、清宮の一軍キャンプ帯同は確実です。その場合、中田は兄貴役を名乗り出ていますが、遠征中に豪遊する中田と、『金の卵』である清宮を一緒にさせるようなことはしないでしょう。打撃指導はコーチがやります。フリー打撃で同じ組になることはあるでしょうが」(同)

 清宮はスイングスピードで飛距離を出すタイプ。中田はパワーだ。ともに飛距離には定評はあるものの、フリー打撃で並んで勝負すれば、リラックスできるのは「負けて元々」の清宮だ。
 「中田さんと同じくらい打球が飛んでいる。プロでやっていける」と、自信を持つきっかけにもなるだろう。

 将来は、栗山英樹監督が「一塁清宮、DH中田」を選択する可能性もある。そのときは'16年本塁打王のレアードと定位置を争うことにもなりかねない。
 「大谷の米挑戦で、投打ともに“一枚”が足りません。日ハムはFA取得選手に冷たい。増井には宣言残留を許し、中田を残し、頑張れと言ったのはそのためです。でも、本心は分かりません」(同)

 かつて球界には、「アニキ」「番長」「キャプテン」と称された牽引役がいた。彼らは自分の調子が悪いときも声を張り上げ、チームに尽くしていた。だが、中田はふて腐れた態度を取る。奮起はもちろん、心も入れ替えなければ、中田は清宮の“かませ犬”にされかねない。

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