菜乃花 2018年10月04日号

慰安婦問題最終合意の次は… 安倍首相が画策する「靖国神社A級戦犯分祀」(2)

掲載日時 2016年01月20日 10時00分 [政治] / 掲載号 2016年1月28日号

 安倍首相は勢いそのまま、慰安婦と並ぶ外交懸案も一気に解決しようと動いている。それは、靖国神社からのA級戦犯分祀だ。
 きっかけは2015年春までさかのぼる。安倍首相の外交指南役である谷内正太郎国家安全保障局長に近い外務省OBが、昵懇の韓国政府高官と会って「朴槿恵大統領は安倍について勘違いしていないか」と耳打ちすると、こう続けた。
 「彼は思想は右だけれども、原理主義者ではない。本物の右翼じゃないんだ。靖国神社を参拝してはいるが、A級戦犯に頭を下げてはいない。東條英機元首相がいるからだ」

 韓国政府高官が身を乗り出したのを確認すると、外務省OBはこう説明した。
 「安倍の力の根源である血脈を見てほしい。母方の祖父である岸信介は、東條と対立して閣外に出て、最終的に東條を引きずり下ろした。父方の祖父の安倍寛は、大政翼賛会の公認がないまま衆院選に勝っているから、当然のように反東條だ。この2人の祖父を誇りに思っているサラブレッドの安倍が、どうして靖国に行って頭を下げるのか」

 うなずく韓国政府高官。さらに外務省OBは畳み掛けた。
 「靖国参拝を深刻に受け取らないでほしい。あくまで内政、国内対策上の問題にすぎない。安倍はリアリストであり、現実的な判断をする男だ」

 朴大統領の側近でもあるこの韓国政府高官は「必ず大統領に伝える」と繰り返し、その場を去っていった。
 「実際に安倍首相はA級戦犯を分祀したい考えを持っています。高村正彦・自民党副総裁らに靖国関係者と調整させているのですが、靖国側に拒否され続けているのです。高村氏は'14年5月に訪中した際、中国共産党ナンバー3に『日中首脳会談が実現すれば首相が靖国神社に行くことはないと思う』と述べて話題になりましたが、安倍首相が抱いているA級戦犯への嫌悪感を知っているからこそ、そこまで踏み込んだ発言ができたのでしょう。訪中に同行した外務省OBが分祀の意向も併せて伝えたようです」(自民党ベテラン衆院議員)

 外務省OBのロビー活動は、確かに安倍首相の意をくみ上げたものだったのだ。そして韓国政府高官は約束通り、朴大統領に詳細を解説したという。
 「その際、香港の有名占い師に見てもらった、安倍首相と朴大統領、そして習近平・中国国家主席の相性に関するレポートも加えられていたそうです。ちなみに結果は『3人はうまくいく』だったとか。それで朴大統領も、徐々に対日スタンスを和らげていったのです」(外務省関係者)

 A級戦犯の分祀にこぎ着けられれば、安倍首相が唱え続けている「戦後レジームからの脱却」は、また一つ大きな壁を乗り越えることになる。まさに天上天下唯我独尊。
 自民党を支える保守層がどこまで我慢できるか見ものである。

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