川崎あや 2018年3月1日号

ついに中国が誕生させた霊長類初のクローン猿の危うさ

掲載日時 2018年02月09日 15時00分 [社会] / 掲載号 2018年2月15日号

ついに中国が誕生させた霊長類初のクローン猿の危うさ

 元の個体と全く同じ遺伝子を持つ「クローン」の猿を2匹誕生させたと、中国科学院のチームが1月24日付の米科学誌『セル』電子版に発表した。霊長類では初めての成功例だ。
 「中国のチームは『猿を使って人の薬の効果を確かめる実験に役立つ』と強調していますが、人と同じ霊長類のクローンづくりには倫理的な問題点があり、今後も議論を呼ぶでしょう。むしろ、こちらも議論を呼んでいますが、絶滅動物の再生に大きく前進したのではないかと思います」(サイエンスライター)

 絶滅動物の再生で思い起こされるのは、映画『ジュラシックパーク』だ。
 「その再生方法は、松ヤニの内部に恐竜の血を吸った蚊が封じ込められているものが発見され、その血液に含まれているDNAを使って恐竜を再生するという発想でした。しかし、この方法は2012年に豪州の研究者によって否定されています。DNAは521年で半分が壊れ、さらに521年ごとに半分が壊れていきますから、150万年くらい経過すると再生に必要な情報はほとんど消えてしまうということが分かったのです。恐竜が絶滅したのは約6500万年前ですから、再生は不可能なのです」(同)

 ということは、ごく最近に絶滅した動物ならば、再生は可能かもしれない。
 「実際、'00年に最後の1頭が死んで絶滅した『ピレネーアイベックス』と呼ばれる野生のヤギの一種が、'09年になって再生されたのです。剥製から採取したDNAを家畜のヤギに移植し、絶滅生物の再生成功第1号となったのですが、残念ながら生まれて10分後に死んでしまいました」(同)

 これは直近まで生存していた動物からDNAを採取した例だが、マンモスやドードー、ジャイアントモアなどの再現計画も進んでいるという。
 「ただ、社会系の学者からは異論が噴出しています。再生した生物をどう扱うかという点に関心が薄いからです」(大学の某研究者)

 多くの生き物が絶滅していった原因は、身勝手な人間にあったことを忘れてはならない。

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