菜乃花 2018年10月04日号

消えた女性たちは死体で見つかった… 連続レイプ魔が抱える底知れぬ闇(2)

掲載日時 2015年12月13日 23時00分 [事件] / 掲載号 2015年12月17日号

 翌日も判で押したような事件だった。第2事件の被害者である戸谷理恵さん(19)も同じショッピングモールの駐車場から車を出そうとしていたところ、いきなり後部座席に比嘉が乗り込んできた。比嘉は工業用のカッターナイフを突き付け、「助手席へ行け。死にたいか」などと脅迫。前日に陽子さんを強姦した雑木林と同じ現場に連れ込んだ。
 「I don't kill you. You'll go back home. But,I want SEX.(殺しはしない。家に帰してやる。でも、オレはセックスがしたい)」
 「イヤーッ!」

 理恵さんはとっさにウソをつき、「私がセックスしたくないのは病気を持っているからで、あなたにうつしてしまうとマズイから。だから、私は彼氏も作らない」などと言い訳した。
 「分かった。それならアナルでいい。服を脱げ。パンティーもだ。早くしろ」
 「ええーっ…」
 「だから、アナルでやるって言ってるだろ!」
 理恵さんは強制的にフェラチオさせられ、後部座席でアナルセックスさせられた。比嘉は「気持ちイイー」と言いながら、最後は外で射精した。

 「あなたはいい人だ。オレは悪い人。ジャパニーズ切腹。これからオレは港で自殺する。あなたは優しい人だから神様が見ているよ。港はどっちにある?」
 理恵さんが「あっち」と答えると、男は去って行った。理恵さんは再びショッピングモールに戻り、警備員に助けを求めた。
 警備員の通報で警察が駆け付け、2つの事件の犯人の精液を調べたところ、DNA鑑定の結果で一致することが分かった。
 この型を基に警察がDNA鑑定のデータベースを調べたところ、約10年前に発生し、未解決事件になっていた女子高生強姦致傷事件に行き着いた。この事件では別の強姦致傷事件で服役していた比嘉が重要参考人として浮上していたが、当時のDNA鑑定では完全に一致するという結果が得られず、すでに時効になっていた。だが、今回の2人の女性を襲った犯人のDNA鑑定とは完全に一致していた。

 警察は比嘉の所在を探っていたが、思わぬことから比嘉自身が警察に飛び込んでくることになった。何と、運転免許証の住所変更の書き換えのため、管轄署を訪れたのだ。警察は千載一遇のチャンスとばかりに、一連の事件の容疑者として行動確認を開始。比嘉がコンビニのゴミ箱に捨てたペットボトルを回収したり、飲食店で使った割りばしやジョッキグラス、タバコの吸殻などを回収して、DNA鑑定を実施。その結果、見事に陽子さんや理恵さんを襲った犯人のDNAと一致し、2人に対する強姦容疑などで逮捕した。
 その後、余罪を調べていたところ、もっと恐ろしい事実が判明した。地元署管内では、ここ1年以内に3件の若い女性の不審死事件が相次いでおり、そのいずれの現場からも比嘉と一致するDNAが検出されたのだ。これらの件で比嘉を追及すると、「身に覚えがない」と関与を否定し、それからは黙秘に転じた。

 警察は陽子さんや理恵さんの事件とは別に、帰宅途中の女性(29)がコインパーキングで車に乗り込んだところ、後部座席に男が押し入り、「言うこと聞かなきゃ殺すけなぁ」と脅し、首を絞めてわいせつ行為をしようとしたが、被害者の抵抗に遭って未遂に終わったという事件を立件し、3度目の逮捕にこぎ着けた。
 その事件に対する裁判所での勾留質問中、比嘉は突然、窓から逃げ出し、数百メートル離れた新聞販売店内で取り押さえられたが、「うわー、殺してくれー、殺してくれー」と泣き叫ぶという騒ぎを起こした。

 検察は3件の連続不審死事件のうち、陽子さんや理恵さんが強姦された現場の近くで遺体が発見され、被害者のパンティーの股間部分から比嘉のDNAが検出された上、はいていたタイツにも比嘉の車のシートと同じ繊維が付着していたという物証がある富田愛さん(22)の事件を立件し、強姦致死罪で追起訴した。
 比嘉は強姦事件については認めたが、強姦致死事件については「私は関係していないし、私が知っていることは何もありません」と主張。弁護人も「科捜研のDNA鑑定は16点ある確認点のうち、14点しか一致していない。被告人を犯人とするには合理的な疑問が残る」と反論したが、科捜研の担当者は「たとえ14点でも、一致するのは8716億人に1人。DNAは被告人のもので間違いない」とバッサリ斬って捨てた。
 稀代のレイプ魔に判決が下るのは間もなくだ。
(文中の登場人物はすべて仮名です)

関連タグ:男と女の性犯罪実録調書

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