葉加瀬マイ 2018年11月29日号

トップアーティストにも飛び火 新国立問題に悲鳴を上げる音楽業界

掲載日時 2015年10月02日 14時00分 [社会] / 掲載号 2015年10月8日号

 総工費2500億円超で白紙撤回された新国立競技場の問題が、音楽業界にも波紋を投げかけている。当初、「'15年10月起工、'19年3月開場」の予定だったが、東京五輪開幕前の'20年3月に開場が先延ばしされたため、日本開催の'19年ラグビーW杯まで白紙撤回される可能性が出てきたのは本誌既報通り。これに加えて、“被害者の会”もさらに拡大していきそうなのだ。
 「新国立競技場開場時期と前後して、コンサート会場となりうる都内各施設が改修工事に入るのです。新国立の完成が遅れるということは、その間、歌手のコンサート活動も制限されてしまいます。地方の小さな会場しか抑えられない」(レコード会社宣伝部員)

 音楽業界では『'16年問題』なる新語も定着しつつあるという。
 まず、渋谷公会堂は今年10月から改修工事に入り、その後も、約半年間に横浜アリーナが'16年1月から工事を始め、日比谷公会堂、さいたまスーパーアリーナも同年前半に改修工事に入る予定だ。'17年には国立代々木競技場体育館、中野サンプラザが。さらにまた、“時期未定”としながらも、日本武道館、東京国際フォーラムも近年中の改修工事を予定している。

 つまり、新国立競技場の開場遅延に各主要施設の改修工事時期が重なったため、都心はイベント会場不足に陥るわけだ。
 「大坂城ホールも来年1月から約3カ月間の改修工事を発表しています。新国立の設計変更にしても、ウチの業界にもひと声かけて欲しかったというのがホンネです。屋根が付くか付かないかで、音響設備やコンサート規模も違ってきます。これをしのぐには、地方巡りをするか、高い競争率の中で東京ドームなどの野球場を抑えるしかないでしょう」(同)

 施設会場の供給が狂い、音楽業界は大幅な事業変更を余儀なくされた。「音楽業界に優先的に新国立を貸してくれたら、総工費の返済に貢献できたのに」という声も聞かれたが、安倍首相には東京五輪の問題に振り回される側の声など届いていないようだ。

関連タグ:新国立競技場


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