菜乃花 2018年10月04日号

熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times サイヤング賞も夢ではない 2017年のダルビッシュ有

掲載日時 2017年04月15日 15時00分 [スポーツ] / 掲載号 2017年4月20日号

 ダルビッシュ有がレンジャーズの開幕投手として2017年シーズンをスタートさせた。
 今シーズンはダルビッシュにとって、これまでの投手人生で最も重要な年になると言っても過言ではない。なぜならメジャー入りした時にレンジャーズと交わした6年契約が今年で切れるため、今年は「コントラクトイヤー」になるからだ。コントラクトは「契約」を意味するので、直訳すると「契約の年」となるが、実際は「次の複数年契約がかかった年」という意味合いで使われている。

 ダルビッシュにとって契約最終年を迎える今年は、まさにコントラクトイヤーだ。成績次第で今後の投手人生がバラ色にも灰色にもなる。サイヤング賞を争うレベルの活躍を見せることができれば、現時点でも1億5000万ドル(173億円)前後と評価されている商品価値はさらに上昇し、6年1億8000万ドル(207億円)から7年2億ドル(230億円)レベルの値が付くだろう。
 逆に今シーズン、肩やヒジを痛めてシーズンの大半をDL入りしたり、制球難に陥って防御率が5点台に急落するようなことになれば、商品価値は大暴落し、2年1500万ドル程度の契約しかゲットできないということになりかねない。

 このように大リーグでは、コントラクトイヤーの出来次第で以降の人生が決まるので、契約最終年を迎えた選手はバラ色の長期契約をゲットするため「コントラクトイヤーのふんばり」を見せるのが常だ。ダルビッシュも、表面上は意識していないように振る舞っていても、開幕からギアをトップに入れて気合の入った投球を見せるだろう。

★もう一つの意外な好材料

 今季のダルビッシュには、もう一つ大きな好材料がある。今年3月でトミージョン手術(ヒジの側副靭帯再建術)から24カ月が経過したことだ。この手術は早ければ12〜13カ月で復帰できる。ダルビッシュのようにリハビリ中、極限の筋トレに励んだりすれば、球速が以前より増すこともある。
 実際にダルビッシュは昨年5月末に復帰した際、速球が数キロアップしてファンを驚かせた。しかし、トミージョン手術を受けた投手は、球速が戻っても復帰した年は制球が安定しないことが多い。ダルビッシュも昨季は別人のように制球に苦しむ試合がいくつかあり、それが防御率を悪化させる原因になった。
 だが、トミージョン手術は術後24カ月を経過すると試合ごとの制球のバラツキが見られなくなることが多い。そのため「術後24カ月」という数字は大きな意味を持つのだ。

★想定しうる三つのシナリオ

 今季で契約が切れるダルビッシュは、希望すれば今オフ、他球団への移籍が可能になる。FA市場の評価も高く、今オフFAになることが予想される250人前後の選手の中でダルビッシュは2位にランクされ、FAになれば年俸3000万ドル(35億円)で5〜6年の契約をゲットできそうと評価されている。
 しかし、本人はレンジャーズに愛着があり残留を希望している。
 レ軍のダニエルズGMはダルビッシュとの新契約が1億5000万ドル規模になると予測しているようで、それだけの金額を投資して大丈夫かどうか、今季のピッチングを見ながら判断する意向だ。同GMが慎重になるのは、メガコントラクト(1億ドル=115億円以上の契約)で獲得した大物(フィルダー、秋信守など)がケガとスランプで大金をドブに捨てる結果になったため、ダルビッシュまで同様だと責任問題に発展しかねないからだ。レ軍は貧乏球団ではないが、資金力は中規模。100億円超の金をしょっちゅうドブに捨ててはいられない。

 今シーズン、どんな展開になるか予測するのは難しいが、想定できるのは以下の三つのシナリオだ。
 (1)ダルビッシュが序盤好調で2点台の防御率をキープしていれば、6月までに5年1億5000万ドルから6年1億7000万ドル(195億円)規模で新契約がまとまり球団からビッグニュースとして発表されるだろう。球団側は6年契約に難色を示していると伝えられているが、サイヤング賞を争うレベルの活躍を見せれば6年契約になるのは必至だ。
 (2)防御率が3点台半ばでまあまあの成績に終われば、シーズン終了後、5年1億2000万ドル(138億円)規模でレ軍と契約を更新する可能性が高い。だが、レ軍が4年1億ドル規模に固執すれば、ダルビッシュはFA市場に打って出ることを選択するかもしれない。
 (3)ダルビッシュの成績が振るわず、チームも低迷する展開になった場合は、7月末のトレード期限にトレードされる可能性が高い。ヤンキース、ドジャースなど、先発陣がコマ不足で優勝を争う金満球団が欲しがるだろう。日本のファンとしてはダルとマー君がヤンキースタジアムでそろい踏みする光景を見たいところだが、このシナリオは最も可能性の薄いシナリオだ。
 可能性が高いのは、1番目のシナリオである。

スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)
今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。

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