森咲智美 2018年11月22日号

勝つも負けるも生き地獄 サッポロHD(vsスティールP)危険過ぎる最終戦争(1)

掲載日時 2010年03月25日 00時00分 [社会] / 掲載号 2010年4月8日号

 3月30日に迫ったサッポロホールディングス(HD)の株主総会が俄然、注目を集めている。
 約18%の株式を保有する米投資ファンド、スティール・パートナーズが自ら提案した取締役選任案への賛同を募る委任状勧誘を開始。これに対抗して、会社側が主要株主から委任状を取り付けるなど、双方の攻防戦が一気にヒートアップしてきたのだ。

 もっとも、筆頭株主のスティールとサッポロHDの“ガチンコ対決”は今に始まったことではない。3年前にスティールはサッポロ株の66.6%までTOB(株式公開買い付け)で取得するとブチ上げ、経営陣を牽制。同年の3月総会では乗っ取りを危惧したサッポロが買収防衛策を提案するとスティールがこれに反対を唱え、双方が壮絶なプロキシーファイトを演じている。この時は買収防衛策の導入議案が可決され、押し切られたスティールは取得目標を33.3%まで引き下げたが、昨年2月にはアッサリ撤回した。以来、スティールは「もの言う株主」としてサッポロ経営陣に睨みを利かせながらも、表立った敵対的行動は控えてきた経緯がある。

 それが久々に真っ向から牙を剥いた理由を市場関係者は、「サッポロとの最終戦争と考えているフシがある」と指摘する。株主総会で自らの株主提案が通れば「第2のアデランス」として経営を支配できる反面、もし葬りさられればサッポロ株を手放し、シッポを巻いて逃げ出すのではないか、との見立てである。

 前者ならばともかく、後者であればサッポロ経営陣には大歓迎のようだが、市場関係者は「必ずしもそうとは限らないから厄介だ」と顔を曇らせる。
 「あれだけの株を市場で売れば、大暴落する以上、スティールは相対で他のビール会社などに売却するに決まっている。問題はその売却先です。キリンHDなどは表向き気のない素振りを示していますが、条件次第ではどう転ぶか分からず、魔の手が忍び寄っていたなんてことになったら目も当てられません。あるいは中国や韓国企業がスティールから株を肩代わりした揚げ句、経営権を奪取すべくガタガタに揺さぶる可能性もあるわけです」

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