葉加瀬マイ 2018年11月29日号

本好きリビドー(145)

掲載日時 2017年03月11日 14時00分 [エンタメ] / 掲載号 2017年3月16日号

◎快楽の1冊
『BUNNY GIRL』 愛沢リフ 星雲社 1500円(本体価格)

 アニメやゲームなどの登場人物やキャラクターに扮する“コスプレ”は、今やクールジャパンを代表するキラーコンテンツとなった。コスプレする人を“コスプレイヤー”、最近では“レイヤー”と呼ばれ、海外でも増加傾向にあるという。
 レイヤーは同じジャンルの愛好者や同人誌即売会などのイベントで、自慢のコスプレを披露する。ファンや素人のカメラマンが集うその場で、ROM販売(ROMイベント)と呼ばれる写真集の販売を行う。
 ROM販売に至るまでにはいくつかの段取りが必要だ。まず、撮影会を開催してカメラマンから写真を提供してもらう。その中から気に入ったものを選択し、CD-Rなどに書き込んで自作のデジタル写真集を製作する。そして、それをROM販売などのイベントで、手売りでさばく。これがレイヤー活動の貴重な資金源となるのだ。
 レイヤーの中には、夏と冬の年2回のROM販売会で300万円以上稼ぐツワモノもいる。一方、自分で撮影所を押さえて1日に何回も撮影会を開催し、ROMの売り上げにつなげようと努力している者も少なくない。
 業界内での自分の需要、位置付けを読み、それに応じて写真集の内容から価格まで、すべて自分で決める。しかし、芸能事務所に属していないので、ファンとの距離は必然的に近くなる。撮影会でのリクエストはエスカレートし、プライベートで危険な目に遭うリスクも高くなる。ただし、活動の内容やペース、そして引き際さえ、すべて自由だ。
 本著はレイヤーとして活躍するモデルの写真集。自由な世界で生きることを選んだレイヤーならではの瑞々しさが光る。2016年に11人のカメラマンに撮影されたものを、初めて紙媒体の写真集としてまとめた。デジタルにはない“温かさ”を紙に感じたことがきっかけだった。刹那的な一瞬の美しさを体現した集大成となっている。

【昇天の1冊】
 「3K1H」とは何のことか、お分かりだろうか。キツい、ケバい、キレる、おまけにエッチの略だそうだ。金髪美女、つまり“パツキン”の魅力を言い表した言葉だという。
 もちろん、こんな流行語はない。『パツキン一筋50年〜パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社/1800円+税)の著者、秋本鉄次氏が自著の中で熱く語っている造語である。
 そう、この本は抜群のボディーを誇る欧米女優に魅せられ、その美女たちのセクシー場面のみに焦点を当てて論評するという、類まれ、かつ奇想天外な映画評論本なのである。掲載された女優たちの選定基準は「オナゴは品格より骨格」「清純派・正統派より“欠陥乱調美女”」「肉こそ女の存在証明」といった具合で、とにかくパツキン女優のカラダ、ボディー、エロスだけを追いかけた1冊。
 007シリーズのボンド・ガールから『氷の微笑』のシャロン・ストーン、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ニコール・キッドマン、さらにB級映画の巨乳&美尻ヒロインまで、出てくる、出てくる、金髪ばかり! 思えば日本男児にとって、洋画鑑賞の目的は「女」と、その裸体・濡れ場だったはず。そこに真正面から取り組んだ誠に正直な本である。
 著者の秋山氏は『スクリーン』『キネマ旬報』で活躍中の映画評論家。金髪美女の評論にかけては業界随一と呼ばれる人だ。従って、本書では男の俳優はほとんどスルー。金髪の酒池肉林本、ぜひ一読を。
(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)

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