LiLiCoオススメ「肉食シネマ」 罪なのはアンネ? それとも私?『罪と女王』

エンタメ・2020/05/03 07:00 / 掲載号 2020年5月7・14日合併号
LiLiCoオススメ「肉食シネマ」 罪なのはアンネ? それとも私?『罪と女王』

(c)2019 Nordisk Film Production A/S. All rights reserved

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 お仕事お疲れ様です。テレワークの方や、会社に行かないと仕事が成り立たないという方など、皆さん、何かしらストレスを抱えていることと思います。確かに、自粛によって行動が制限されてしまいますが、この国難を乗り越えるため、あらゆる知恵を振り絞って、一緒に頑張りましょう!

 そんな私といえば、憎っくきコロナの影響から、映画の公開延期のお知らせが毎日のように届きます。こんな時だからこそ、昔懐かしい映画などを、配信やDVDで見直すのもいいかと思いますが、今回は今後、公開された時に期待してほしいものを1本、ちょっとエロスな作品を見つけちゃいました。おそらく、みなさんの好みかと思いますよ!

 舞台はデンマーク。弁護士として成功しているアンネは、何不自由なく、優しい旦那と子どもにも恵まれて仕事も順調。家も立派なところに住んでいて、インテリアも素敵です。

 そんな、すべてが完璧の暮らしに、旦那と前妻との息子であるグスタフが一緒に住むことに。快く受け入れるアンネですが、グスタフは問題を起こしている上に、同じ屋根の下にいても家族と交わろうとしない。しかも、勝手に女を連れ込んだりと、雰囲気まで悪くなる。

 ある日、窓が破られて家に何者かが入り込んできた。アンネはすぐに泥棒ではなくグスタフだと気付き、黙っていてあげる代わりに、家族と仲良くしてと交換条件を出します。でも、家族と仲良くなるだけでなく、2人は禁断の仲になってしまうのです。

 身体を許し合って、激しく愛し合う2人。どんどん大胆になっていくうち、ある人に見られてしまいます。ここから完璧だった人生が音を立てて崩れ落ちます。

 でも、これがワクワクするほど刺激的。アンネの立場やグスタフの気持ち、誰を信じたらいいのか分からない夫が入り交じり、ラストへ…。これが、うまくできているんですよ。

 北欧の空気感がこのアブナイ愛を見守り、弁護士という職業ならではのアンネの言い訳に注目。冒頭で、“いったい何があったの?”と思わせる場面がありますが、そのシーンが途中で、また出てきます。そこでやっと、「なるほど! こんなことがあったのね。だからこの空気…」と。

 私は何でこの禁断の愛を応援してしまったのか? 「タイトルの“罪”は、見ているこっちに向けたもの?」と思ってしまいました。エンディングがあるのに終わってない、そんな深い作品が、公開を待ってます。

画像提供元:(c)2019 Nordisk Film Production A/S. All rights reserved
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■罪と女王
監督・脚本/メイ・エル・トーキー 出演/トリーヌ・ディルホム、グスタフ・リン、マグヌス・クレッペル、スティーヌ・ジルデンケルニ、プレーベン・クレステンセン 配給/アット エンタテインメント 5月8日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、5月29日(金)よりシネ・リーブル梅田ほか全国順次公開。
■児童保護を専門とする優秀な弁護士のアンネは、優しい医者の夫と幼い双子の娘たちと完璧な家庭を築いていた。そんなある日、夫と前妻との息子である17歳の少年グスタフが問題を起こし退学になったため、スウェーデンからデンマークに引き取ることに。グスタフは衝動的な暴力性があり、家族に馴染もうともしなかったが、アンネは根気よく彼を家族として迎え、正しい方向へ導こうと努める。しかし、少しずつ距離を縮めていくうちに、アンネは彼と性的関係を持ってしまい…。

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LiLiCo:映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。

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