彩川ひなの 2018年7月5日号

“経営統合”でルノーにしゃぶり尽される日産

掲載日時 2014年02月15日 11時00分 [社会] / 掲載号 2014年2月27日号

 日産とルノーが事実上の“経営統合”に踏み込んだことが憶測を呼んでいる。研究開発や生産・物流だけでなく人事面でも幹部交流を深めるなど、両社が「企業の枠を超えて関係を強化する」と発表したのだ。

 ルノーは日産に43.4%出資する親会社だが、欧州危機に直撃されて厳しい経営を強いられ「日産からの配当金で命脈をつないでいる」(関係者)のが実情。しかもカルロス・ゴーンCEO(兼日産社長)にとって悩ましいのは、本体ルノーの筆頭株主であるフランス政府が「彼の経営再建策に疑問符を突きつけ、今春の総会でCEO再任にスンナリ賛成するか微妙」(同)になってきたことだ。そこで苦肉の延命カードとして切ったのが、日産との運命共同体を全面に出すシナリオだと日産OBは絵解きする。

 これには伏線がある。日産は昨年11月、屈辱ともいえる2期連続の業績下方修正を余儀なくされた。これを受け、ゴーン社長は次期社長の本命と目された志賀俊之COO(最高執行責任者)を副会長にテイよく更迭、COO職を廃止してゴーン社長が販売や生産などを担当する3人の副社長を直接指揮する体制を打ち出した。業績低迷はゴーン社長が旗振り役を務めた積極投資が裏目に出たことが大きいが、それを無視して有力な後継候補をパージしたのが、いかにもゴーン流だ。
 「日産内部には、ルノーの出資比率を下げることで植民地から脱しない限り将来はないとの悲痛な声があった。しかし、比率を下げればルノー自体の経営を直撃する。そこで『日産の反乱軍を鎮圧しなければ俺の明日はない』とばかり志賀さんを副会長に棚上げしてニラミを利かせ、返す刀で驚愕の“統合”計画をぶち上げたのです」(日産OB)

 ライバル社幹部は「フランス政府の対応が見もの。これでCEO再任を拒否されたら、『策士、策に溺れる』ってことだ」と冷ややか。
 日産をシャブり尽くす究極の“作戦”やいかに。

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