菜乃花 2018年10月04日号

中高年ライダーが楽しむ「原付二種」スローバイク生活(2)

掲載日時 2016年07月03日 14時00分 [エンタメ] / 掲載号 2016年7月7日号

 一発試験に合格するしか免許を手にすることのできなかった時代の大型バイクは、まさにライダーたちの憧れの的だったが、1996年の免許制度改正から指定自動車教習所で教習が受けられるようになると、中高年ライダーが一気に増加した。その結果として、リターンライダーの死亡事故も増加。一昨年には177人にも上った。
 一度は諦めたビッグバイクに乗ることができたが、体力的な理由もある。そもそも事故ってしまっては意味がない。次は気軽に乗りこなせるバイクに乗り換えよう。こうしたライダーが増えてきたのも自然の流れというわけだ。
 そんな時流に乗って最近では、メーカー側も原付二種に力を入れている。かつての原付ブーム時にはヤマハ『JOG』やホンダ『タクト』『DJ-1』などさまざまな原付のCMが流されていた陰で、原付二種の方はひっそりと販売されていたにすぎなかったが、今やその立場は完全に逆転したと言っていい。

 ヤマハではウェブサイトで『Style125』というコンテンツを展開。『ヤマハ125祭り』と題したキャンペーンを開催し、125tバイクの利便性や特徴、メリットなどを紹介して注目を浴びた。面白いのは『125tスクーター通学・通勤比較シミュレーション』というコンテンツ。出発地と目的地を入力しクリックすると、公共交通機関や車、50tスクーターと所要時間や費用が比較できる。定期代金とも比べられるので、通勤交通費を浮かせられるかも?
 「昔の原付二種はメーカーもあまり販売に力を入れていませんでした。原付からステップアップした人はそこを飛ばして250〜400tのバイクに移行してしまうので、原付二種はニッチだったのです。車種も原付をそのまま排気量アップさせたような物が多く、ビジネス色の濃い地味なスクーターがメーンでした。しかし、最近はかなり魅力的な車種が増えましたね。ホンダの『PCX』は新型で何とすべての灯火類がLED化されました。特にヘッドライトのLED化は国内4メーカーの中でも初めて。毎年2万台近くを販売する人気車種になった。ライバルのヤマハでは『トリシティ125』が人気ですね。このバイクは前2輪、後1輪の三輪車となっているのが特徴です。スタイリングは通常の小型スクーターに比べてかなりインパクトが強く、目立ちますね。二輪だと不安だけど、三輪なら安定感があるので安心と、小柄な女性ライダーにも人気です」(前出・雑誌ライター)

 原付二種=スクーターとイメージしている人も多いと思うが、それを打ち破って4月15日に新車種を発表したのがカワサキ。スーパーネイキッドカテゴリーの『Z125PRO』は同社のビッグバイクZシリーズをそのまま小さくしたタイプ。倒立フロントフォークや前後ディスクブレーキを採用するなど原付二種とは思えない豪華装備で、街乗りからツーリングまで幅広くこなすことが可能だ。
 「販売店で実車を見た瞬間、即決で買うことを決めました(笑)。以前は400tのバイクを所有していたのですが、車検や保険などの支出がバカにならないので売ってしまいました。『Z125PRO』は小さいながらもクオリティーが本当に高く、さすがカワサキ、原付二種とは思えない所有感が自慢ですね。高速を使うことができないので遠距離ツーリングには不安でしたが、下の道でも全く疲れません。ワインディングではその小ささゆえに機敏性が高く、ビッグバイクを煽れるほどです(笑)」(48歳・公務員)

 もともとバイクの世界は趣味性が強く、スーパーカブなどの実用車を除けば高価で高性能なスポーツモデルが人気だった。しかし、最近ではなるべく維持費が掛からず、低燃費で実用性も高く、さらにはツーリングなどの趣味用途にも使えるバイクに需要が高まっている。原付二種はまさにそんなお得なカテゴリーだと言えよう。体力的にちょっと自信がないオジサン世代が“リターン”するには、まさに最適のバイクなのだ。

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