林ゆめ 2018年12月6日号

話題の1冊 著者インタビュー なべおさみ 『昭和の怪物』 講談社 1,700円(本体価格)

掲載日時 2016年01月30日 16時00分 [エンタメ] / 掲載号 2016年2月4日号

 −−なべさんの華々しい交友関係がつづられています。特に記憶に残っている人はどなたですか?

 なべ やはり高倉健、鶴田浩二、村田英雄さんのような方は個性がありました。身の内からほとばしっている光が違いましたね。それは体の内に清らかな水が入った器があり、溢れ出ている光でしょう。オーラと呼ぶものですかね。その壺のような物が人の器量なんだと思います。本物の人間にはこれがデンと備わっていました。そして、この水に波動を伝えて、物事を考えているんだと思わされましたね。本物の人間はこの水の静けさを保てるので、慌てず騒がず、見事でした。

 −−あの世界の王貞治さんの病気をスピリチュアルな力で治してしまったエピソードにはビックリさせられました。

 なべ 私なんて力なんかありませんよ。ただ、私は若いときから人を見ると、その人の寿命がおぼろげに分かるんです。明大事件の後、1992年の年明けから比叡山の無道谷の一郭に、身を置いた経験がありました。無信心な私を呼んでくださったのは、天台管領たる大阿闍梨、叡南覚照師でした。私にとって、ここで千日回峰行者の下働きをした天命は何だったんでしょう。その後は、人の寿命がはっきり見え出しました。私が延命を願えば50%はかなうのですが、残り半分は手が出せません。その延長線上に王貞治さんがいらっしゃいました。王さんに会った瞬間、その先が見えたんです。危急は好転させることができました。でも、王さん自身は私に助けられたとは少しも思ってないはずですよ。それが私の持ったパワーの不思議さで、「ああ、ありがたい!」とは決して思われません。もちろん、お金を取ったり誇ったりしているわけではありませんから、それでいいんです。でも、永遠に私は王さんを守りきりますよ。

 −−1974年の「日本航空124便ハイジャック事件」のとき、機内にいたそうですが…。

 なべ 極限状態になると、その人の本当が出てしまうことを見させられた経験ですね。本を読んでもらえば分かりますが、どんなに日頃は立派に見えている人でも、土壇場の状態でどう立ち回れるか分からない。本当に心の据わった人間というものは、日頃から己で考え、己で苦しみ、己で実行しています。立派な会社と立派な立場の人間こそ、難航苦行の荒波に漕ぎ出すべきです。ぜひ、私が経験した稀有なハイジャック事件の真実を、読者の皆様も参考になさってみてください。事実は映画よりも…。
(聞き手:程原ケン)

なべおさみ 1939年東京都生まれ。本名は渡辺修三。明治大学演劇科入学後、ラジオ台本などの執筆活動を始める。その後、渡辺プロダクションに入り、水原弘、勝新太郎、ハナ肇の付き人となる。現在は、舞台や講演を中心に活動中。

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